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唖然 ページ28
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二宮くんとの電話を切って
ちょうど20分経った頃、
部屋のインターフォンが鳴った。
モニターを覗くと、二宮くんが居て
鍵を外して招き入れた。
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｢翔さん、ごめん｣
部屋に入るなり、櫻井の顔を見るなり
二宮くんが頭を下げた。
｢酔ってた、とか言い訳にしかなんねえよ｣
｢わかってる｣
｢まぁ、許すつもりもないけど｣
｢…ただ、Aちゃんは拒否してたから許したげて｣
二宮くんが、真っ直ぐ櫻井を見た。
｢そこはニノが口出すとこじゃないだろ｣
｢そうだけど｣
｢ニノはさぁ、こいつが好きなの？｣
櫻井が私をちらっと見た。
その目線に気づいた二宮くんも、
私をじっと見たあと、櫻井に向き直って
｢うん、好き｣
そう、言った。
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｢A、お前は？｣
櫻井が私を見る。
｢…私は、そんなの櫻井が好きだよ。
だからちゃんと話したし、櫻井の信頼を
もう一度取り戻したいと思ってる｣
｢そ、分かった｣
櫻井が、ふっと笑う。
｢もういいよ、お前ら｣
私と二宮くんは顔を見合わせて、唖然。
｢ニノの好きな女にキスしたくなる気持ちは分かる。
俺だって、Aとはそこから始まったんだし。
Aの誠意も伝わったし、俺もちょっと
突然の事で頭ん中いっぱいいっぱいでさ、
だからもういいよ｣
櫻井の表情には、余裕が戻ってて
一方の私は怒られた直後で
櫻井の変わり様に唖然としたまま。
だけど、
二宮くんは
ニヤリと笑った気がした。
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作者名：湊 | 作成日時：2018年7月18日 0時
