仲がいいからこそ ページ22
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飲み会もお開きの頃。
それぞれの部署のお偉いさん同士が
ぺこぺこ会釈しながら会話を交わしてる。
それを横目に私達も帰ろうか、って立ち上がる
…つもりだったんだけど。
｢う、わ…｣
よろめいた。
思ったよりも飲みすぎたみたいだった。
｢ちょっ、と！｣
｢あ…ごめん、なさい｣
よろめいた私の肩を抱いたのは二宮くん。
｢あぶねーな…送るよ、家どこ｣
そんなわけにはいかない。
｢大丈夫、少し外の空気吸えば帰れるから｣
｢いいから、女は黙って甘えとけ｣
二宮くんって、私にこんな接し方だったっけ？
なんか、距離が近く感じるんだけど。
｢…｣
｢ね？｣
｢わかった｣
｢よし｣
そう言って、んふふって笑う二宮くんは
まるで子犬みたいで可愛い。
｢ニノ、襲っちゃダメだよ。翔くんのなんだから｣
｢わーってるよ｣
そんな会話を私の目の前でする
二宮くんと大野くん。
本人の目の前でするんだ、そういう話。
勝手に恥ずかしくなる私も私だ。
｢じゃ、俺お先に帰るね〜｣
ばいばい、Aちゃん。って
大野くんの手が私の頭の上で
ぽんぽん、と跳ねた。
お酒のせいか、大野くんのせいか分からないけど
明らかに私の体は、きゅうって熱くなった。
｢ばいばい…｣
｢声小さ(笑)｣
私の方を抱いたまま二宮くんが
クク、って笑う。
｢じゃ、俺らも帰ろっか｣
私と二宮くんは、私の家へ向かって
まだ騒がしい店をあとにした。
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｢Aちゃんさぁ｣
電車に揺られながら、隣に座る二宮くんが
窓の外を見ながら話しだす。
｢ん？｣
｢翔さんのどこがイイの？｣
｢え？｣
｢翔さんみたいな完璧主義、疲れない？｣
｢そんなこと…ないけど、｣
｢ふーん？｣
二宮くんって、ほんとによく分からない。
櫻井と二宮くんは仲がいいんじゃないの？
あ、仲がいいからこそ
櫻井の欠点を知ってるからこそ、
そう言うのかな、なんて。
｢どうして？｣
｢べーつにー｣
窓の外を見てた二宮くんの瞳が、
私を映した。
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作者名：湊 | 作成日時：2018年7月18日 0時
