素直で従順 ページ18
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“お泊まり”とは。
成人男女のする“お泊まり”とは。
一緒に寝るということで、
ってことは、そりゃあ…ね。
アンナコトやコンナコト。
私が？櫻井と？
有り得ない！無理！
首を横にブンブン振ると、
横から笑い声。
｢お前首もげるぞ(笑)｣
憎たらしいのに憎めない櫻井の笑顔。
今の私にはムカつく。
なんで？なんでそんな余裕なの？
私はこんなに気持ちも頭もいっぱいいっぱいなのに！
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今日の仕事も大方片付いた
すっかり陽が長くなって、
まだ辺りは明るい18時頃。
いつも通り、『喫煙所に付き合え』と言われて
櫻井と一緒にタバコを吸ってるんだけど、
そこには私達よりも先客がいて。
｢Aちゃん｣
最近、二宮くんと喫煙所で会うことが多い気がする。
｢ん？｣
｢今日の飲み会行くの？｣
｢うん、行くけど。二宮くんも？｣
｢俺も｣
櫻井がタバコを押し潰した。
｢ニノ、最後までいんの？｣
｢居るつもり｣
｢じゃあさ、こいつの事見張っててよ｣
クイッと親指を私の方に向ける櫻井。
｢見張り？｣
｢そ。虫が寄ってこないように。｣
｢翔さん行かないの？｣
｢途中で抜けるんだよ｣
｢そゆことね｣
私の意思は関係なく話が進む。
私の見張り。
それが二宮くん…って
なにそれ、どういう状況なの。
全然楽しく飲めなそう…
しかも、櫻井まで居ないって
やっぱり今日行くのやめようか…なんて、
私達の上司は『飲み会強制参加』ってタイプで
不参加にしたらそれはそれで面倒だし。
仕方ない。乗り越えればお泊まりだ。
…なんて、楽しみにしてる自分も居るから
余計に混乱する。
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今日一日の仕事を終えて、
パソコンの電源を落とす。
荷物を持ちながら櫻井を見たら、
櫻井も丁度終わったようで、
デスクの上を片付けてる。
｢櫻井、行く？｣
｢うん、喫煙所寄ってから｣
｢じゃあロビーで待ってる｣
｢付き合えよ｣
櫻井はかなりのヘビースモーカー。
それに一々付き合わされる私の身にもなってほしい。
｢分かったよ｣
若干面倒くささを感じながらも着いてく私は
きっと素直で従順な女扱いだろう。
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作者名：湊 | 作成日時：2018年7月18日 0時
