君の背中【赤羽業】3 (ページ40)

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｢ナイフ使う気満々だな安心したぜスタンガンはお友達に義理立てて拾ってやったというとこか｣

このままだとこの男の思う壷だ

｢一応言っとくが、薬はここに3回分ほど予備がある｣

｢もし渚くんが本気で殺しに来なかったり他の奴らが俺の邪魔をしようものならこいつも破壊する｣

…最後の希望があの男の手に握られている
私は飛びそうな意識を必死で抑えながら渚くんを見つめた

ものすごいスピードで渚くんのお腹に鈍い一撃が入った
力も烏間先生に劣らない上に小さな体、すぐに吹き飛ばされてしまう

｢おら…殺すんじゃなかったのか｣

次から次へと渚くんに重たい一撃を確実に入れる
勝負にならない…これじゃあ一方的にやられるのみだ
渚くんは苦しそうにお腹を抑える

｢そろそろ…俺もこいつを使うか｣

ニタニタと笑いながらナイフを手に取る
全く場に合わないその笑顔は私たちに恐怖を与えた

｢手足を切り落として標本にしてやるずっと手元に置いて愛でてやるよ｣

その言葉を聞いたと同時に渚くんは息を整え立ち上がった
渚くんの顔は口角が上がり、さっきまでの苦しい顔とは違う

するとあの男はその顔に怯えたような素振りを見せた

渚くんの反撃が始まる