君の背中【赤羽業】3 (ページ34)

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｢よっしゃぁぁ！ソッコー簀巻きだぜ！！｣

そう叫びながら寺坂くんたちが気絶した男を簀巻きにし出す

私は先程の緊張感から解放されてぐったりとしそうになったが、速水さんと千葉くんをみるとその気もなくなった

爽やかな笑顔を浮かべながらハイタッチをする2人
先生が言っていた通り普段はあまり表情を出さないからかその笑顔は誰よりも輝いていた

私たちは難関を突破し、ラスボスへと繋がる最終ルートを歩き出した

｢ふぅー…だいぶ体が動くようになってきた｣

鬼のような形相で見張りをビキビキと締め上げる姿はもはや恐怖をも感じさせる
でも烏間先生の復帰により私たちの戦力は一気に上がった

すると自分の携帯から律の声が聞こえ画面を見る

｢皆さん、最上階部屋のパソコンカメラに侵入しました上の様子が観察できます｣

画面を確認する
そこには男が1人テレビでウィルス感染させられたみんなを観察していた
…見て楽しんでいるのだろうか
虫唾が走る

すると殺せんせーが口を開いた

｢先生、あのボスについてわかったことがあります黒幕の彼は殺し屋ではない殺し屋の使い方を間違えてます｣

どういうことかあまり理解でない
先生の次の言葉を待った

｢もともと先生を殺すために雇った殺し屋、しかし先生がこの姿になり警戒の必要が薄れたので見張りと防衛にまわしたのでしょう｣

｢でもそれは本来の殺し屋の仕事ではない彼らの能力をフルに発揮すれば恐るべきものです｣

…確かに
先程の拳銃男も狙った的は絶対外さない精密性のある銃弾だった

｢カルマくんもそう敵が廊下で見張るのではなく日常で後ろから忍びよられたら…あの握力に瞬殺されていたでしょう｣

｢…そりゃね｣

カルマは苦い顔をして納得する
いくら喧嘩が強い、そして油断をしなくなったカルマでもプロには勝てない
こんな状況で改めて知らされる殺し屋の恐怖

｢さぁ時間が無いこいつは我々がエレベーターで来ると思っているはずだが交渉期限まで動きがなければさすがに警戒を強めるだろう｣

烏間先生の言葉を合図に私たちはまた動き始めた
ここまで来たんだ…！

何度目の決意だろうか
私はぐっと足を前に進めた