君の背中【赤羽業】3 (ページ26)

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｢奇遇だね 2人とも同じこと考えてた｣

カルマのにんまりとした顔が見えた
そして口元にハンカチを抑えている
私は目を丸くした

そしてそれに焦り男は刃物を持って突進してくる
冷静差がなくなった人間に勝ちはない
何事もそうだ

カルマはそれを簡単にさばき、腕を引っ張って男を地面にたたきつけた

｢ほら寺坂！早く早くガムテと人数使わないとこんなバケモン勝てないって｣

そう寺坂くんに伝えると全員で男の上に飛び乗った
そして慎重にガムテープでぐるぐる巻きにした

｢毒使いのおっさんが未使用だったのくすねたんだよ使い捨てなのがもったいないくらい便利だね｣

と悪魔の顔をして男に話す

｢なぜだ…俺のガス攻撃お前は読んでいたから吸わなかった俺は素手しか見せてないのになぜ…｣

男がそう呟くとカルマは真っ直ぐな視線を注ぐ

｢とーぜんっしょ素手以外の全部を警戒してたよ｣

｢あんたが素手の闘いをしたかったのはホントだろうけどこの状況で素手に固執し続けるようなプロじゃない｣

｢俺はあんたのプロ意識を信じたんだよ信じたから警戒してた｣

そう話すカルマの顔はいつものあのイタズラをする顔じゃない
真剣な顔だった

それに男も負けを認めたのか

｢…大した奴だ少年戦士よ敗けはしたが楽しい時間を過ごせたぬ｣

｢え、何言ってんの？楽しいのはこれからじゃん｣

とすぐにイタズラ心を全開のカルマが両手にわさびとカラシを持って男の顔に近づいた
先程までの警戒が解けているから余計にウキウキしているように見える

｢さぁ、おじさんぬ今こそプロの意地を見せる時だよ｣

笑顔でカルマは男の鼻にわさびとカラシをぶち込み始めた
…でもよかった
カルマが無事で

満足にイタズラができたのかカルマは男を放置し私の方へやってきた

｢…ほんとバカめちゃくちゃ心配した｣

私は俯きながらカルマに伝える

｢…ごめんねでも戻ってきたでしょ？｣

と戦う前のように頭を撫でた
まるであやされている子供みたいで恥ずかしくなったけど今はこの温もりに甘えよう

薄暗くてきっとみんなには見えていないだろうから