君の背中【赤羽業】3 (ページ18)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:135,404 hit

18 ページ18

｢…さて君らに普段着のまま来させたのにも理由がある入口の厳しいチェックさえ抜けてしまえば…ここからは客のフリが出来るのだ｣

客のフリ？
でもマフィアとかが泊まるホテルに中学生の団体なんているの？

｢客のフリィ？こんなホテルに中学生の団体客なんているんスか？｣

みんな同じことを疑問に思っていたみたいで烏間先生に聞いている

｢聞いた限りけっこういる芸能人や金持ち連中のボンボン達だ｣

…なるほど

｢だから君たちもそんな輩になったフリで…世の中を舐めてる感じで歩いてみましょう｣

殺せんせーの言葉にみんな顔を合わせたあと
すぐに悪い顔…？にしながらずかずかと歩くすると殺せんせーがその調子！と声をかけた
本当にこれで大丈夫なのかな…？

｢ただし…我々も敵の顔を知りません敵もまた客のフリで襲ってくるかもしれない充分に警戒して進みましょう｣

｢｢…はい！｣｣

みんな表情が一瞬真面目な顔になる
やっぱり私は悪びれた顔のみんなよりこうやって真剣に取り組む姿が好きだなと実感した
こんな状況なのにね

すれ違う度に見るからに危ないことをしてますという顔をした人達がいる

警戒心MAXで行くが、目線を合わせようする者はいなかった
トラブルを避けたいのはあっちも一緒なのだろう
仮に何かあっても前衛の烏間先生が見つけてくれると確信して歩く

すると寺坂くんたちが焦れったく思ったのか
さっさと進もうぜと話すと突然走り出した
向かいから男が歩み寄ってくる
きっとすれ違うのだろう…さっきの人達みたいに
そう思っていると

｢寺坂くん！！！そいつ危ない！！！！｣

不破さんが突然声を荒らげた
私はその声に反応しじっと男を見ると

次の瞬間

烏間先生がバッと飛び出し紫色の煙から寺坂くんたちを庇った

そして烏間先生渾身のキックが男の手首に当たり勢いよく何かが吹っ飛ぶ

｢なぜ分かった｣

男は私たちに尋ねた

｢さっきを見せずすれ違いざま殺る俺の十八番だったんだかなオカッパちゃん｣

不破さんのことか
不破さんは確信の目を持って男に話す
私は不破さんの言葉一つ一つに耳を傾けた

｢だっておじさん、ホテルで最初にサービスドリンク配った人でしょ？｣