君の背中【赤羽業】3 (ページ16)

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みんなが少しだけ苦労する中
岡野さんだけ身軽に私たちの何歩先を登っていた
…それに比べてうちの先生は

烏間先生がビッチ先生をおぶりながら片手に殺せんせーを持つという状況
動ける先生が3人中1人とは…

私も遅れをとらぬようガシガシと登る
通用口が見えてきた
あともう少し…
すると先に登っていたカルマが

｢A、はい｣

と腕を伸ばしてきた
私は素直にその腕を掴むとひょいっと引き上げてくれた
そしてお礼を言うより先に律がこの通行口について説明を始めた

｢この扉の電子ロックは私の命令であけられますまた監視カメラも私たちを映さないよう細工できます｣

さすが律
多分律がいなかったらこの作戦もできなかったと思う

｢ですがホテルの管理システムは多系統に分かれており全ての設備を私一人で掌握するのは不可能です｣

やっぱり厳重にされている
一筋縄ではいかないのは確かだ

すると律が最終侵入ルートを画面に表示した

｢私たちはエレベーターを使用できませんフロントが渡す各階ごとの専用ICキーが必要だからです従って階段を上るしかないのですが…その階段もバラバラに配置されており最上階までは長い距離を歩かなくてはなりません｣

私はじっと画面を見つめる

｢まるでテレビ局みたいな構造だな｣

と千葉くんが呟いた
私は気になり

｢テレビ局みたい…？｣

｢あぁ、テロリストに占拠されにくいよう複雑な設計になっているらしい｣

なるほど
そりゃそういう危ない人達が愛用するホテルなわけだ
それよりも千葉くんがこんなことを知っているとは
少し驚いた

それも束の間
烏間先生がみんなと目を合わせる

｢注目！！目標山頂ホテル最上階！！隠密侵入から奇襲への連続ミッション！！ハンドサインや連携は訓練のものをそのまま使う！｣

｢いつもと違うのは標的のみ！！｣

｢3分でマップを叩きこめ！！19時50分作戦開始！！！｣

｢｢おう！！！！｣｣

烏間先生の気合い入れにみんなの気持ちがひとつになる
絶対に助けるんだ