JACKEY ページ13
M「なぁ、ジャッキー」
JA「ん？」
M「俺、前に言うたよな...偶然やと思ってることは全部必然なんや、って」
JA「...おう」
M「そしたらお前は言った、俺らが捨てられることも必然なのか、と」
JA「...」
M「結果的に、必然やったやろ？俺らが捨てられたことは」
JA「あぁ...せやな」
M「やったら」
マックは真っ直ぐ俺を見て言った
M「俺らが出会うことも、こうして一緒におることも、必然、や」
それは、そうかもしれんけど
それで、ええんか
必然で、ええんか
JA「ええんか、それで」
M「ええもクソもない、必然は必然や」
JA「俺の親父がおらんかったら、お前らは家族と一緒におれたし、その方がいい人生なはずや」
M「...そうか？」
JA「え？」
M「エースは虐待され続けてた、ジョニーもアーセナルも借金にまみれて路頭に迷うやろうし、トッポの家は、ギャング同士の争いに巻き込まれて、下手したらトッポ死んでたで？ガムは、道場の中でずっと居心地悪いまま、自分偽って生きなあかんかった...それが、お前の言う『幸せ』ってやつなんか？」
そうかも、しれん
家族と一緒にいた方が、今よりもっとひどい人生になってたのかも、しれん
やったら、今の方がマシ、なんかな
今、みんな幸せ、って思ってくれてるんやろか
M「幸せやで、俺は」
俺の心を見透かしたように、マックが答えた
M「たらればの話に何の意味があんねん、現に今俺らは家族と一緒にいないし、一緒になろうとも思わへん...もしかしたらいい人生かもしれんけど、そんなことは考えへん、今の幸せが壊れるのが嫌やから」
俺は何を迷っていたんやろ
そんな当たり前のことを今更
「今が幸せなら、それで十分やろ」って
なんでそんな簡単な結論に至らなかったんや
JA「俺、アホやな」
M「おん、かなりな」
JA「...少しは、そんなことないって言ってくれや」
M「だってお前急に『出ていくべきなんやろか』なんてアホな顔でアホなこと聞いてくるから」
JA「...」
M「アホやなぁ思って聞いてたわ」
ケラケラと笑うマック
その姿を見て
あぁ、俺はこいつの笑顔が好きやったってぼんやり考えていた
その笑顔が眩しくて、嬉しくて
子どもの頃からなに一つ変わっていないその姿に
何だか懐かしさすら感じた
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作者名：ゆめ
| 作成日時：2017年4月14日 1時
