. ページ14
「よーし！ピーちゃん行ってこーい！」
持っていた豚を芝生に下ろす安田さん。
豚はくんくん芝生の匂いを嗅ぎながらゆっくりと動物たちの輪の中に入っていった。
「すごいですね。こんなに動物いるのにケンカとこしないんですか？」
「うーん。せぇへんなぁー。なにせこんなに広いし、みんなのんびり屋さんが多いからなぁ」
「ペットは飼い主に似る」って言うけど、ペットショップの動物は店員さんに似るのかな...
この人が世話してる動物たちならそりゃあ穏やかな性格になるよなーと思う。
「あぁー！全然忘れとったけど、お姉さんお客さんだった！ごめんなさーい！何の動物探してるんやっけ？」
「あははっ！大丈夫ですよー。特にペットを探してるわけじゃないんです」
「はれ？そうなんです？」
「ええ、実は...」
私は、一昨日と昨日と、ここの隣の雑貨屋とCDショップに立ち寄り、そこで「日によって店が変わる」ということを聞かされて気になり、来てみたということを安田さんに伝えた。
「あー！もしかして傘の子？」
「え！？安田さんまでその話...！」
「え？僕の他にも誰か知ってるん？」
「昨日渋谷さんに聞きました...傘の女って言われて」
「あははっ！しぶやん失礼やなー！僕はなんで知ってるかって、傘のこと言うたんが僕やからやでー？」
「え！？」
話を聞くと、錦戸さんが「片付けたいんやけどなかなか帰らへん客がおる」みたいなことを安田さんにメールしてきたらしくて、「この雨やし傘無いんちゃう？」って打ったんだって。
「ほんっとにありがとうございました...！めちゃくちゃ助かりました！」
「あははー僕何もしてへんけどなぁー」
「やっぱりみんな知り合いなんですね、仲良さそう...」
「大学の頃からのツレやねん。7人とも仲ええでー」
「え！？あと4人も！？ってことは...あと4つお店が？」
「あれぇ？2人から聞いてへんの？あと4つは...」
「あああ！いいですいいです！自分で来る楽しみに取っておきたいのでっ！」
安田さんの言葉を遮り、私は１週間、ここのエイトショップに通うことを決めた。
...なんてったって、「無職」の「暇人」ですからね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 287人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
倉安LOVE - これからのすばるくんと主人公ちゃんのやりとりに注目していきたいね。 (2018年11月3日 0時) (
レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 倉安LOVEさん» 嫌いなのか……好きなのか……笑 (2018年11月2日 21時) (レス) id: ee8561c84e (このIDを非表示/違反報告)
倉安LOVE - すばるくんは未だに主人公ちゃんのことを嫌っているのかなぁ？これからどうなっていくんだろう？ (2018年11月2日 16時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
倉安LOVE - はい、楽しみに待っています。 (2018年10月30日 10時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 倉安LOVEさん» ありがとうございます！！！いやー主人公ちゃんどうするんでしょうね...笑 楽しみにしていてください！ (2018年10月29日 19時) (レス) id: ee8561c84e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆめ
| 作成日時：2018年10月14日 8時
