GUM ページ27
煙が肺に入ってくる
G「ジャッキー！！ジャッキーぃい！！！！」
喉がやられる
むせる、喉が痛い
ひたすら、探し回る
どこにいるか、エースに聞いてくるの忘れとった
その時、階段の下に、うつ伏せで倒れている人影を見つけた
G「ジャッキー！！！！」
駆け寄った
愛用のナイフを握りしめて
階段を転げ落ちたらしく、残骸が散らばっていた
2階へ行く道は既に燃えて残っていない
そのジャッキーの隣には
G「Aちゃん...」
ここにいるということは、ジャッキーがここまで運んできたということだ
こいつが来てから、おかしくなった
マックがいなくなって、みんなの記憶が消えて
本当は助けたくないけど
ここで始末しておきたいけど
...この子は、助けなあかん気がすんねん
G「くっ...」
ジャッキーを引きずりあげて、Aちゃんを背負う
俺らの中で何かが崩れそうになっている
まるでこの、燃え続けている家のように
消えたマックの記憶
瀕死の仲間
エースの言葉
俺はバカだから、なんにも分からへん
綺麗事言うつもりなんかない
でもなぁ
G「俺は...信じとるでぇ...！」
俺はずっと、ずっと、信じたいんや
みんなのことを、俺自身を
G「...なんて...綺麗事...やなっ...」
段々と意識が朦朧としてきた
ふと思い浮かぶ、道場
「りゅう兄ちゃん！」そう言って子どもたちは慕ってくれたが、大人が俺を引き離した
「あの子とは関わっちゃダメ」「あの子は悪い子よ」
そう言われて一人でいることを強制された
肩身が狭くて、気を使う事にも疲れて
でも、みんなは違った
そんな俺を...受け入れてくれたから
強い俺も、弱い僕も、全部お前だからって
そう言って、くれたから
G「幸せ...やでっ...」
そんな気持ちが伝われば...いいのに...っ
みんなもそう思って...くれ...たらっ...
草っ原に投げ出される
その瞬間、家が崩れ落ちた
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作者名：ゆめ
| 作成日時：2017年3月5日 0時
