栄十荘へようこそ〜∞〜5

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赤side



ギターの練習してる最中、急になったケータイにびっくりして、出たらヨコから


なんや、よーわからんけど、とりあえず相当具合悪そうなんだけは分かった


ヨコの部屋を漁って、吸入器と喘息の薬を引っつかむ



夜中とか気にしてられへん


管理人室に転がり込んで、急いでヒナを叩き起した






赤「ヒナ！！ヒナ！！！起きんかああ！！！緊急事態やねん！！！ヨコが！！！」


紫「...ん？あいつ、具合でも悪いんか？倒れた？」






寝起きのくせに、頭の回転が速くて助かる






赤「車出して！はよっ！」


紫「分かった、お前一応ヨコの保険証持ってこい」


赤「了解！」






ヨコの部屋に舞い戻り、バッグから財布を抜き取る


...てかあいつ、大学に財布持ってかんと、どーやって飯食うてんねん


しかも、それを見越して俺に保険証持ってこい言うたヒナも流石としかいいようがない...あいつ、ホンマに寝起きか？



着の身着のままで、俺もヒナも車に飛び乗ると、ヨコのバイト先近くへ向かう





赤「ヒナ！はよ！！はよせぇっ！」


紫「アホか！これ以上は出されへんわ！こっちが事故ったら元も子もあらへんやろが」


赤「もう...っあああ...」


紫「すばる、大丈夫やから落ち着き、お前が興奮してどーすんねん」


赤「...分かってるわ、ボケ」






車を飛ばすこと５分


ヨコのバイト先の居酒屋から数十メートル離れた歩道に、うずくまる人影を発見








赤「うおおお！！止まれ！！止まれてヒナ！」


紫「なんなやねんな！！」


赤「おった！ヨコおった！！」


紫「ちょ、待って、止まるから」


赤「はよせぇっ！！」





減速して、止まるか止まらないかのうちに、車から飛び出て、ヨコの元へ走る







黒「ゴホッ...ヒュー...ヒュー...ゲホッゲホッ！はぁっ...はぁ...お、えっ！」


赤「ヨコ！ヨコ、しっかりせぇ！！」


黒「すば...ゲホッゲホッ...」


赤「ええから！ほら、これ、吸入器持ってきたから！」


黒「ゲボっ...はぁ...はぁっ...ケホッ...はぁ...ご、めん...っ、ゴホッ！」




辺りはヨコが戻したであろうもので汚れてて、臭いもキツい


街灯も少なくて、人通りもそんなにないとこやから


もし、俺が電話に気づかなかったら...と思うと、ゾッとする

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