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「...で？」
「で？やない、連れてけ、言うてんねん」
「...はいはい」
いつも通り、男の人が迎えに来てくれたけど、僕の身体はボロボロで
立つことすらままならない
「はよ出てってくれへん？俺、寝たいねん」
「...とりあえず行くで、ほら、手貸そか？」
その男の人に半ば引きずられるようにして、部屋を出て、廊下へ
いつもなら、歩けるはずの廊下も、今日は遠く見える
ホンマは、今すぐにでもスバルのとこ行って、抱きしめてやりたい
きっと今夜も、眠れんかったやろうし...
ショウとタツのことも、安心させたらな...あかんのに
薬が切れて、快感と感じていた痛みが、全部襲いかかってくる
「ほら、行くで」
「や...っ！」
僕は、その男の人にしがみついた
「は、ちょ、え、何しとるん」
「あかん...行きたない...」
「いや、もうユウの部屋には行かへんで、戻るんよ、お前らの部屋に」
「...嫌やっ...！」
こんな姿で
こんなに傷ついて、立てもしないような僕を、みんなに見て欲しくない
僕が、弱ってたら、みんな心配するから
僕は、強くなくちゃ...強く...
「っく...うううっ...」
「え、お前...ちょ、どうしたらええんよこれ...」
オロオロするその人を前にしても、僕の涙は止まらへんくて
痛みと、溜め込んできた不安とか、重みとか、そういうものが溢れてきて
「ご...ごめ..ん、なさっ...あかん...行かな、行かなっ...ス、バルっ...心配する、からっ...！」
言葉とは裏腹に、止まらない涙
進もうと思って、一歩踏み出そうとしても、ふらついて倒れてまう
「スバル...タツっ...ショウっ...！」
力を入れる度に、鞭入れられた傷口が開いて、血が滲む
会いたい
けど
会いたくない
こんな弱い僕を
見て欲しくない
「...あいよ」
「え？」
目の前には、しゃがんで背中を向ける男の人
「ほら」
「でも...」
「そんなフラッフラで、まともに歩けへんやろ」
「...」
「部屋には連れていかへんから、はよ」
「...ホンマ？」
「はよして、俺、この体勢キツイ」
迷った挙句、手を相手の肩に乗せる
フワッと身体が浮いて
僕は、そのまま、気を失った
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ゆめ(プロフ) - 咲琥*Laさん» こちらこそ、お立ち寄りいただきありがとうございました！何か心に残るものがありましたら幸いです(*´ω｀*) (2018年4月2日 20時) (
レス) id: ee8561c84e (このIDを非表示/違反報告)
咲琥*La(プロフ) - circus showと短編集読ませていただきました。いろんな情景が浮かんできて、どちらの作品も最後には泣いてしまいました。とても、感動しました！ありがとうございました！ (2018年4月2日 18時) (レス) id: 61af4ce70a (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - いちさん» ふあああ…！ありがとうございます！4人を兄弟にしたら面白いなぁ、と思って、詰め込んじゃいました笑読んでいただきありがとうございました！めっちゃ嬉しいです！！ (2017年6月26日 15時) (レス) id: 3097ca73fe (このIDを非表示/違反報告)
いち(プロフ) - 完結おめでとうございます♪ 最後まで ゾクゾクしました…！ 黒さんが 本当は身内なのかな…？ と思って読んでいましたが、まさか4人が兄弟とは！！ このお話 すごく大好きです (*^o^*) (2017年6月26日 10時) (レス) id: e4f0d46998 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 黒糖さん» 悶えますよねっ！橙さんめっちゃ書くのだいすきです！笑ふぁぁぁ...！大ファンとか言われたらもう黒さんみたいにデレデレに照れちゃいますわ笑ありがとうございます！さんふらわー、楽しみにして待ってますね！お互いがんばりましょー！(*´ω｀*) (2017年5月28日 11時) (レス) id: 3097ca73fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめ
| 作成日時：2017年5月21日 10時
