７６.選択 ページ31
ドサっと、音が聞こえて横を見てみればAが、畳の上に倒れていてすぐさま、肩を揺すった。
「A！！」
何度も呼んでも返事はなくて。
それでも、声が枯れるんじゃないかって思うほど叫ぶ。
「あ！焦凍、みて！！」
姉さんがAの足の痣を指差しながら、そう言った。
すぐに見てみると、確かに昨日見た痣より大きくなっていて。
Aを侵食するようにうごめいて見えた。
「なんだ……コレ」
「…これが、お父さんの言ってた。呪い……」
「アイツはこのことを知ってたのか！？」
しまったと口を手で押さえる姉さんに「アイツはどこだ」と詰め寄る。
これが、呪いだというのなら、間に合わなくなる前にAを助けないと。
このことを黙っていたヤツの事を怒っている場合じゃない。
「……ここだ、焦凍」
不意に、後ろから聞こえた声に振り返る。
いつも通り炎を纏ったアイツが「遅かったか」と呟きながらも、Aの側に座った。
「この呪いは、Aが幸せを感じた時に発動する。これがどういうことか分かるな？」
そう言って、俺の方を見るアイツに言葉を失う。
俺のせいだって…言うのか？
「焦凍。よく聞け、このままじゃAは眠ったままだ」
嘘だ。
そんなはずがない。
「お前たち、付き合っていただろう？」
「！！？」
「え？…そうなの？焦凍」
嫌だ。
「お前とAが付き合っていたという記憶を消すか。ここで今、お前が嫌われるか…選べ」
嫌だ。
俺は……。
「どちらにせよ、Aがこの呪いを破ることは不可能に近い。外側からしか助けられないんだ。分かるだろう？焦凍」
「………俺は」
今でも目を瞑れば、思い出せる。
Aの笑った顔。
Aの泣いた顔。
Aの恥ずかしそうな顔。
あぁ、幸せだった。
確かに、幸せだったのだ。
「………その、必要は……ないよ」
小さく、か細く聞こえた声。
視線をずらせば、苦しそうに…でも笑ってAが体を起こしていた。
その姿に、「なんで」と声が漏れる。
「ごめんね、？しょう、と。敵はーーーーにいる。信じて、るから。あきらめ…ないで？」
「A？」
その言葉は、最後の抗いだった。
また、倒れたAを横目に、立ち上がるとアイツの方を見た。
「……分かった。俺が全ての責任を負う。行くぞ、焦凍」
覚悟は決まった。
俺は絶対に諦めない。
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おつきみ(プロフ) - moeさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年4月21日 17時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - この作品、大好きです、 (2018年4月21日 11時) (レス) id: 32c275f53e (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月26日 6時) (レス) id: 104648a3e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2018年3月26日 1時
