６６.僕にとってのヒーロー ページ21
１年。
月日は早いもので、中学２年になって１年が経った。
楽しい日々もこれで終わりだ。
これからは、受験生として毎日を過ごしていくこととなる。
雄英に入るためにも、死に物狂いで頑張らなければいけないだろう。
「…テメェ、いっしょのクラスか」
中３に上がって、クラスはまた新しく変わる。
私はどうやら、ハズレくじを引いたらしいと苦笑いを見せた。
『よろしくね、爆豪？』
爆豪はいつものしかめっ面で私を見ると、自分の席へと向かっていく。
その姿を見て、今度は緑色の頭に目を向けた。
『緑谷、３年間同じクラスだね』
「あ、轟さん。よろしくね」
未だに、緑谷と爆豪が幼馴染とは信じがたい。
爆豪はもっと、人に優しくなればいいと思うのだが……歩く理不尽である爆豪には無理な話かもしれない。
『ねぇ、緑谷は爆豪をどう思ってるの？』
気になったので、そう聞いてみる。
爆豪は明らかに緑谷のことが嫌いなのだろう。それが、何故なのかは分からないが。
「え？…あ、その……凄い人、かな。確かに、かっちゃんは行き過ぎたところもあるけど…根は優しいんだ」
へぇ。
そう言えるのって、いいなぁ。
眼に映る緑谷の横顔はとても輝いていて、楽しそうで、本当に爆豪を尊敬しているんだと分かった。
爆豪にはいい思い出がなさそうなのに……。
きっと、嫌い好きで人を見ないタイプだ。
『…ヒーロー向き、かぁ』
「え！？」
『緑谷は…ヒーローに向いてるよ。私はそういう才能を持ってないから』
「？？どうしたの？急に。轟さんの方が個性もあるし、優しいし…向いてると思うけど……」
それだ。
ヒーローになれるのは個性があるものだけ。
本当にそうなのだろうか。
ヒーローって、そんなに単純なものなのか。
「僕には、個性がないから……」
『ねぇ、緑谷の言うヒーローって何？』
個性がないとヒーローになれないのなら、何故…。
何故、緑谷はヒーローになろうとするのか。
少しだけ、知りたくなった。
緑谷自身だって、個性がないと難しいことくらい分かっているはずだ。
敵は個性を使う。それでいて、凶悪で狡悪。
そんな相手に無個性で戦うなんて無理に決まっている。死に向かうようなものだ。
「……僕にとってのヒーローはオールマイトの存在そのものだよ。ヒーローは、オールマイトのように苦難に対して笑顔で救ってくれるそんな人達だ」
あぁ、そうか。
それがヒーローなら。
お父さんがNo. 1になれないのも納得だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おつきみ(プロフ) - moeさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年4月21日 17時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - この作品、大好きです、 (2018年4月21日 11時) (レス) id: 32c275f53e (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月26日 6時) (レス) id: 104648a3e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おつきみ | 作成日時：2018年3月26日 1時
