６２.苦労 ページ17
「…着てろ」
顔をAに見せないようにそっぽを向いた。
多分、俺の顔は今、赤くなっているだろう。
『…ありがとう』
チャックを閉める音が聞こえて、Aが上を隠し終えたと分かってからホッとため息をつく。
心臓に悪い。
最近の水着ってあんなの、ばっかなのか。と疑問に思いながらもAの方を向いた。
真面目にやっと見られたAの格好は、いつも下ろしている髪を上げており新鮮な感じだ。
「おう。………行くか？」
スッと手を差し伸べてみれば、Aは目を見開いて『…うん』と言いながらも手を握ってきた。
可愛すぎだろ、と内心思ったのは言うまでもなく、握り返した手は小さくて細い。
「お二人さん、私ら空気です。なので、はやく海行きましょう」
「悪い」
『…！！分かってる』
浮き輪とレジャーシートとパラソルを持って、砂浜に出る。
観光客も多く、海にはそれなりに人がいるのでワイワイと声が響いていた。
『私、ここにいるから。いってらっしゃい』
レジャーシートを敷いて、動きませんオーラを出しているA。
本当に海で泳ぐ気は無いらしい。
楽しいと思うんだけどな海。
「なら、俺も残る」
まぁ、Aがいねぇとつまんねぇから俺も残るが。
「２人とも、海に来たのに…全然、楽しまないじゃん。まぁ、いいけどね」
加藤は、こんな俺たち２人が気にくわないらしく、口を尖らせながらも海へと向かう。
結局、唐沢と泳げるのだからその内に機嫌は良くなるはずだ。
『…行ってもいいのに』
「１人にはできねぇ」
『過保護』
「広場で夜まで寝たり、チンピラどもに襲われたりしてる奴が何言ってんだ」
ここで、Aを１人にすれば、ナンパでも受けてめんどくさい事になるだけだ。
つか、コイツ…自分が可愛い事、自覚してんのか？
『……運が悪かっただけだし』
「運が悪かった……か。そうだな、そうだと苦労しねぇんだけどな」
小学生の時からそうだ。
コイツはよくモテていた。だけど、Aそれを知らないだろう。
俺が裏で色々してたからな。
運が悪いだけの方がまだマシだ。
『苦労してるの？』
「あぁ」
『なんか、ごめん』
「分かってねぇなら謝るな」
俺はよく天然だとか言われるけど、Aは鈍感だと思う。
だからなのだろう、ガードが地味に緩いのだ。
その為に、余計に心配してしまう。
どうにか、ならないものか。
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おつきみ(プロフ) - moeさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年4月21日 17時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - この作品、大好きです、 (2018年4月21日 11時) (レス) id: 32c275f53e (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月26日 6時) (レス) id: 104648a3e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2018年3月26日 1時
