６１.水着 ページ16
急に海に行くことになった。
あの、加藤って奴の計らいで。
Aは昔、海が嫌いだったから心配していたのだが…案の定、泳ぐ気は無いらしい。
水着、見れねぇのか。
「足浸かるだけでもいいから！！」
今もなお、Aを説得している加藤はとても必死だ。
頑張ってくれ、加藤。
水着はお前にかかっている。なんて応援しながらもその会話を見届ける。
『……それなら、水着いらないよね』
「いやいや、ぬれたら大変だよ！？ここの海は凄いんだから！！」
必死だな、本当。
Aも若干、引いてるぞ加藤。
だが、Aは押しに弱い。是非、その調子で頑張ってもらいたい。
『着替えならあるし、そもそも水着持って来てない』
「そう言うと思って、水着なら持ってきてるよ！！それに、服が海水でびしょ濡れになるのは繊維的に」
引き下がらない加藤に、ため息をつくA。
俺でも多分、呆れる。
唐沢は唐沢でこの状況を楽しんでいるらしく、気持ち悪いほど笑顔だ。
『もう、分かったよ。そんな顔しないで』
「ほんと？」
『うん。でも、海には入らないからね』
「分かってるって！！」
どうやら、加藤が勝ち取ったらしい。
ナイスだ。
「じゃあ、水着を着て集合ね！！」
言い合いが終わったところで、各自、部屋に戻って水着に着替える。
Aの水着か……なんだろうな。
少しだけ、ワクワクして集合場所に着くとすでに唐沢が居て携帯をつついている。
俺が来たことに気がついた唐沢は携帯をしまうとにこりと笑った。
「いやぁ、さっきの面白かったな」
「…？そうか？」
「幸があんなに言うのはAちゃんに対してだけなんだ。本当に感謝してる」
「言う相手、間違ってるだろ」
「そうだな。でも、嬉しくて。お前らに会えて良かったよ」
少しだけ驚いた。
人にそんなことを言われたのは初めてだったから。いや、今思えば誰かと遊ぶことも初めてだ。
「感謝言うのはこっちかもな」
ボソッといったその言葉は、「見るがいい！！」という甲高い声にかき消される。
あぁ、主役の登場だ。
加藤の背中に隠れて現れたAは真っ赤に顔を染めて、サッと俺の背後に回った。
「なんで、逃げるのー」
『コウ、許さないから』
「あははー」
どうしたんだと振り返ると、Aはまさかのビキニというやつを着ていて息を呑む。
気づけば、俺の上着をAにかけていて。
心臓の音が速くなっていた。
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おつきみ(プロフ) - moeさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年4月21日 17時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - この作品、大好きです、 (2018年4月21日 11時) (レス) id: 32c275f53e (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月26日 6時) (レス) id: 104648a3e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2018年3月26日 1時
