４５.ぶつかり合い ページ47
「ごめんね。Aちゃん、やっぱり、本人達の話し合いの方が解決できると思って」
そう言って、コウは申し訳なさそうに顔を暗くさせた。それに大丈夫だと返すと父のもとに近寄って見下ろす冷たい目を見上げた。
『校長先生、私はこの学校を出るつもりはありませんよ。一応、言っておきます』
「…しかし、貴方のお父様が」
『父は無視して構いません』
「A！！何を言ってるのか分かってるのか！！？」
本当にめんどくさい人だ。
この人は自分のことしか考えていない。今も昔もそれは変わっていないのだろう。
『お父さん。私はココにいたい』
「もう、潮時だ！」
『違う！！言ったでしょう？私は欠陥品なんだと。そんな私を連れ戻してどうなるの？』
「……チッ、それでも、お前は轟家の人間だ」
轟家か。
そうだ、父は私達一人一人を見ようとしない。
轟家の人間だから。
No.２の家の子だから。
違うでしょ、そうじゃないでしょ。親っていうのはもっと………。
『あぁ、やっぱりお父さんは変わらないんだね』
「なんだと？」
流れ出る涙を拭いながら父に背を向けた。
焦凍の心配そうな顔が視界に入って、さらに涙が流れ出る。
何故だろうか、涙が止まらない。
どこか痛いわけでも悲しいわけでもないのに。
「もういいだろ。帰れよお前」
焦凍の声だ。
でも、その声は消え入りそうなほど静かで細かった。
「……」
その後にバシンッと保健室の扉が閉まる音が聞こえて、「待ってください。エンデヴァーさん」と校長先生が去っていく足音。
どうやら、焦凍の言葉を素直に聞いたみたいだった。
『はぁ……コウ、ありがとう。一先づは大丈夫そう』
「…あれで？」
『いつもあんなんだよ』
「そっか」
『昔から愛なんて言葉知らない人だから』
その言葉は自分でも驚くほど冷たく低い声で放たれ。
それにあぁ、やっぱり私は父のことを恨んでいるのかと納得した。
「A、俺たちも帰るぞ」
カバンを持って保健室の扉の前に立つ焦凍。
『うん。…じゃあね、コウ』
「バイバイ！」
焦凍の機嫌は目に見えて分かるほど悪い。
そんな焦凍に話しかけることはなく、帰り道をただ静かに歩いていた。
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
