４０.マシな人間 ページ42
試合が終わって、コウは唐沢悠の方へと駆けて行った。その背中を見送り、ゆっくりと振り向く。
『何か用？』
そう言うと、後ろにいた人物、操物さんが怪しげに虚ろな様子で「あり得ない」と呟いた。
「ねぇ、教えてよ。考えてたけど分からなかった。どうやって、私に勝った？」
『…さぁ、君に教えることはないよ』
そう言って、視線を逸らす。
こういう類の人間は少々めんどくさい。
「っ！！許せない。…あんなやつが私に勝てるなんて認めない！！」
あんなやつ？
それはコウのことを言っているのだろうか。まぁ、コウをどう呼ぼうが本人の勝手だが、友達をそう呼ばれるのはなんだか癪だ。
「アイツは私の下なのよ！？」
それは誰基準の話なのか。
『はは、本当に醜いね。こんな人に負けそうになってた自分が馬鹿みたいだ』
それと。
こんな奴が焦凍を……そう思うと、ハラワタ煮えくりかえりそうだ。出来るだけ、焦凍に害は与えたくないからね。
「は、はぁ！？イカサマ使って勝った奴らがなにをほざいて…」
『イカサマ？これ以上、侮辱するなら容赦しないけど。それと、コウは君よりよっぽどマシな人間だよ』
そもそも、イカサマと言えるのは君たちの方だ。そう思いながらも返事を返す。
これ以上、彼女と話しても無駄だろう。そう考えて体育館を出ようとした時。
トンッと軽やかな音とともに浮遊感が身体を襲った。目の前には壁と足元には少しほどの階段。
『…っ、間にあ、、』
「アンタが悪いのよ」
視界の端に捉えたのは、狂人のようにも見える操物さんの姿。
そして、周りでざわめく声と同時に頭に衝撃が走った。
◇◆
目を覚ますと薬品の独特な匂いが鼻についた。
「あ！！起きたぁあ！！」
隣の方で声がして横を向いてみれば抱きついてくるコウの姿が見えて、避けることは出来ないためそのまま下敷きになった。
ベッドがギシッと鳴って、「良かった」と安堵の声。
「本当に心配したんだから！！」
『……操物さんは？』
すぐにそう聞いてみれば、コウは私から離れて真剣な表情で頷く。
「彼女は一週間の停学だよ。流石にこの件はことが大きすぎた。それに、エンデヴァーの娘が被害者なんて笑えない」
『……このことは、父も知ってるの？』
「うん。校長室にエンデヴァーさんが来てるの見たから」
マズイ。
非常にマズイ。
笑えない状況に頭を抱えて、溜息をついた。
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
