３６.試合開始 ページ38
ホイッスルが鳴らされて、それと同時にジャンプする。私の方が僅かに高かったので仲間がいるところへボールを弾くことができた。
まずは一本取っていきたいところだ。
ポイントガードである私のところへボールが運ばれて来て、ゆっくりとドリブルをする。
敵はどうやらゾーンで守るようで簡単には点が取れなさそうだ。
『それなら、よろしく』
仲間にパスをして、その子が守備の範囲外であるスリーポイントラインよりも少し後ろからシュートを打つ。
高い弧を描くようにして落ちていくボールに誰も触ることはなくシュッと音が響いた。
「入ったー！！」
『ありがとう。助かった』
「いえいえ！どんどん来て！バスケ部の見せ所よ！」
なかなか、明るい性格の人だ。
こういう人がいるとスポーツは楽しそうである。
「ほら！次の一本、止めるわよ！！」
ワンツーマンディフェンスをしつつ、パスカットを狙う中で大きな歓声が体育館を包んだ。
チラリと男子コートの方を見てみると、爆豪がダンクしたらしくぶらりとゴールにぶら下がっている。
まったく、本当に派手さが好きな奴だな。
「試合中に余所見？余裕ね」
『……そう、かな』
マーク相手を警戒しながらも、少しだけにこりと笑った。
これは、私も負けていられないな。爆豪のおかげで俄然、やる気が出た。
「ねぇ、轟さん。私達が勝ったら、貴女のお兄さん、ちょうだい？」
『は、なんで。それは私が決めていいことじゃない』
「あら、怖いの？そんなにお兄さんの隣にいたいわけ？気持ち悪い」
『………っ』
そんな会話をしている内にシュッとネットを擦る音が聞こえて、振り返った。
相手の異形型がレイアップを決めたらしい。
力負けをしたのか仲間が１人床に倒れている。
「一回戦敗退なんて、お兄さんか知ったらどうなるかな？あの、轟家に落ちこぼれがいるなんて」
『………っ、分かったからそれ以上、言わないで』
焦凍はそんなことで見限ったりはしない。
でも、もしも落胆されたら。そう思うと、どうしても怖くなってしまう。
「お互い、楽しみましょう」
そう言って、ディフェンスに戻っていく、相手の子の背中を見ながら呼吸を整えた。
パスを貰って、ゆっくりとした攻めに入る。
「轟さん！！」
『え…』
瞬間、ボールが手からなくなった。
スティールされたと分かって、振り返るとドリブルをして走るあの子の姿が。
「そんなんじゃ、負けちゃうよ？」
４対３だ。
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
