３３.失格 ページ35
「本当に悪かった」
私の部屋で頭を下げる兄。
それをジトーッと頬杖をついて見ていた。
中学二年生になって、好きな人に兄に身体を見られるというなんたる不覚。
いっそ、殺してくれ。
「A…？」
『焦凍、次からは気をつけてね』
こうなったら、普通に普通にいこう。
気にしてない風に言葉を紡ぎ、そっと微笑みかける。
この事件をなかったことにしたい。
「あぁ、次からは気をつける」
『よろしい。じゃあ、この話は封印しよう、うん』
「…分かった」
その言葉にホッとして胸を撫で下ろす。
さっきの事を思い出すだけで顔が赤くなりそうでブンブンと頭を振った。
「なぁ…」
部屋から出ていこうとしていた焦凍が私の方は振り返り言いにくそうに下を向く。
『？』
「…綺麗、だった」
『は！？』
顔を赤くして、言い逃げをする焦凍。
部屋を出て行く彼の姿を見ながら『天然っ！！』と叫ぶ。
いや、もはやうちの兄は変態になってしまったのかもしれない。
『くそ……ダメだよ。そんなの』
ドキドキと高鳴る鼓動。
こんなことを他の女子に言っていたらそりゃモテるのは当たり前だろう。
焦凍の妹であることを願ったはずなのに、少しでも期待してしまう自分が馬鹿みたいだ。
でも。
『フォロー入れるのは間違ってるでしょう！？』
私だからよかったものの、他の人にこの状況で同じことを言ったらやっぱり変態、変人だ。
天然過ぎるのもどうかと思う。
ぼふんっと音を立ててベッドへダイブしそのまま目を閉じる。
私以外に言ったらダメだよ。なんて、言っちゃダメだよなぁ。
それこそ、兄弟関係が危うくなる。
『…よし』
心を決めて立ち上がると、そのまま部屋を出た。
�猜疹鐃喚�
そんな言葉を頭で呟きながら。
◇◆
俺は、何を言ってしまったんだ。
そう頭を抱える。
間違いなく、変な奴だ。それに、Aだって何を思ったか分からない。
「…やっちまった」
あの時、確かに綺麗だと思った。
抱きしめたくなるほどに。あの、白い肌がに触れたいと思ってしまった。
あぁ、ダメだな。俺は。
これじゃ、兄失格だ。
「…好き、、か」
何気なく呟いた言葉。
少しだけ、鼓動が速くなって苦しくなるのを感じた。
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
