３１.友達 ページ33
中学二年生。
爆豪とはクラスが離れ、緑谷とはまた一緒になった。
他のクラスメイトは見知った顔もいるものの、殆どが知らない人。
「ねぇ」
そう声をかけられて、振り向いた。
そこに居たのは黒髪の女の子で、私をキラキラとした目で見つめている。
知らない人だ。
『えっと、なに？』
「君が轟さん？前にカッコイイ兄がいるって噂になってた」
『…そう、だけど』
今でも迎えにきてくれる兄。
正直なところ、もう一人でも帰れるしあれから約一年経ったのだから、もういいと思う。
まぁ、父が思った以上に過保護なのだから仕方がないが。
「私、加藤幸って言います！１年間、よろしくね」
『よろしく。加藤さん』
「コウでいいよ」
『じゃあ、私も好きなように呼んでくれて構わない』
いい人…なのかな？
正直に言って、焦凍のことは学校中が知っていることだから私に近づく人には注意しなければならない。
一年前も、私に近づく人が増えて大変だったのだ。今は落ち着いたけど。
「Aちゃんはさ、好きな人とかいないの？」
『……いない』
「その間は何かなぁー？」
『いないって』
なんで、こんなことを聞かれなきゃならないんだと相手を睨みつつも言葉を返す。
「カッコイイお兄ちゃん持つと大変だねぇ」
その言葉にドキリと心臓が脈打った。
見透かされたような気分で視線を下に向けた。この子は何なのだろう。そう疑問が頭の中で浮かぶ。
『…コウはいないの？』
何故だか分からないが、そうコウに聞き返していた。
コウは笑顔で私の方を見ると。
「いるよ。ずっと好きなの」
そう言って顔を赤くする。
コウの瞳は本当に恋をしている女の子そのもので羨ましくて綺麗だと思った。
この子は、悪い人じゃない。
疑っていた自分が少しだけ恥ずかしく思えてくる。
「でも、君もでしょ？なんとなくそんな気がするの」
あぁ、これが女の勘ってやつなのか。
少しだけ苦笑いして、でもやっぱり本当の事を言う気にはなれなくてブンブンと頭を振った。
『違うよ。きっと、気のせい』
「……そっか。あ、私ね、君のこといっぱい知りたいの。だから教えてよ」
話題を変えようとしてくれたコウに内心、感謝しながらも『いいよ』と返す。
こんな風に女子と話すのはどこか新鮮でこそばゆいものを感じたけど悪い気はしない。
なんとなく、これからの学校生活が少しだけ楽しみだと感じた。
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
