３０.想い ページ32
良かったと思った。
ただ、それだけの安心が俺を包んでいたんだ。
–––––
目の前に広がる光景に溜息をつきながらも、群がる女子を軽く躱す。
俺の妹はまだ来ない。
「あの、電話番号……」
「悪い、携帯持ってねぇ」
さっきから、人を待ってると伝えているのに、やめられる事は無い�獗擦哭瓩砲泙真爾の�息が漏れた。
次からは何処かで待ち合わせにしようと心の中で決める。
そんな時だった。
向こう側からこちらに走ってくるAを見つけた。
今、この状況を妹は何と思っているだろうか。少しだけ、気になる。
『(む・こ・う)』
目が合うと、そう口パクで、裏門の方を指差すA。
あぁ、やっぱり可愛いな。なんて心の中で思った。
「…悪い、もう行かなきゃなんねぇ」
そう言って、群がる集団から下がり裏門がある方向へと歩き始める。
中学が違っても、また一緒に帰れるのだと思うと少しだけ心が踊った気がした。
でも、Aには好きな奴がいる。
そう思うと、足取りが重たくなる。
「…この中に……」
そう呟いて、校舎を見上げた。
凝山中とはまた違った雰囲気のある建物。俺の知らない妹がここに居るのだろうか。
『焦凍！！！』
Aの声が聞こえて、視線を戻す。
笑顔で手を振りながらも俺を呼んでいる妹はやはり可愛い。
そんな妹に走り寄り。
『はやく、帰ろー』
「ん、そうだな」
そんな会話をしてから歩き出す。
「A、一緒に帰っても良かったのか？」
『…？なんで？』
「いや、好きな人がいると言ってたからな」
『…！！ぁ、あぁ、まぁ…自業自得、だしね』
一瞬、Aの瞳が揺れたように見えた。
そうだったとでも言いそうな彼女の表情に少しだけ疑問を覚える。
『そ、それにしても！焦凍、やっぱり人気だねぇ』
話を突然と変えて、そう笑ったAに「そんな事、ねぇ」と返す。
意味がない。
他の人が俺を見ても、お前が見てくれなきゃ意味がない。
『そうかな？焦凍はカッコイイと思うよ。だって、私のお兄ちゃんだからね』
自慢げに言う妹に少しだけ胸が締め付けられるように疼く。
俺はやっぱり、お前の兄でしかないのかと。
「なら、Aは可愛いってことになるな。だって、俺の妹だ」
俺は今、うまく笑えているだろうか。
そんなことばかりを気にしていた。
俺はお前の兄だ。
きっと気持ち悪がられるかもしれない。
それでも思ってしまう。
��Aが好きだ�瓩函�
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
