３.普通 ページ4
テレビに映るヒーローの姿。
何度、その姿にカッコイイと感嘆しただろうか。
焦凍の方を見ると目をキラキラさせてテレビを見ている姿がある。
『かっこいーね！！』
「うん！ぼく、おーるまいとみたいなヒーローになりたい」
そう言いながら、焦凍は笑った。
父から期待を受ける焦凍はきっと、ヒーローになれるのだろう。
『しょーとなら、すてきなヒーローになれるよ！』
そう言うと、焦凍はジッと私の方を見つめてきて手をギュッと握ってきた。
「Aも、いっしょ」
天使のごとく微笑んだ焦凍に本音は言えなくて誤魔化しつつ笑う。
私は、ヒーローになるつもりは無いよ。
『でも、しょーとにはかてないよ。きっと』
言ってすぐに後悔してしまった。
だって、焦凍は特別視されるのがとても嫌いだったから。
機嫌、損ねて無いかな？なんて思いながら焦凍の顔を覗き込む。
「……ぼくは、まだそんなにつよくないよ」
それは小さな否定だった。
いつも父から私を守ると言っていた焦凍の弱気。そうやって否定することで私と同じだと言ってくれている。
普通の人なのだと。
『………しょーと、遊ぼ！』
暗い空気に耐えられなくて、そう声をかけると焦凍はパッと明るい顔で「うん！」って答える。
その姿にホッとして、外に出ようとした時、ドンっと何かに当たって尻餅をつく。
『っ…い』
「A！！」
焦凍が私に駆け寄り、ソイツを睨むようにして見上げる。
「何処に行こうとしている？」
低く怒気を含んだ声。
ソイツは紛れもなく私たちの父でその目が私たち二人を捉える。
それだけで、すくむ足。
「あやま、れ……」
ボソリと焦凍が呟いた。
これ、やばいなと危険を感じて、焦凍を落ち着かせようと裾を掴もうとして、その手は宙を切る。
「あやまれ！！Aがけがしたらおまえのせいだぞ！！」
時は遅し。
立ち上がって、父に近寄っていく焦凍。
それを父は表情一つ動かさずにジッと焦凍を見ていた。
「フン、コイツが当たってきたんだろう？」
私の方を睨み、父は焦凍を避けて私の方へ近寄る。
「Aにさわるな！！」
そんなことを言いながら、焦凍は父を必死で行かさせないとする。
が、その行動は報われない。
「A、焦凍の足枷にだけはなるな」
そう言われて、グイッと手を引っ張られ立たされる。
『はい』
そう返事をして、普通ってなんだろうと考えていた。
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
