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28.帰宅 ページ30

「A、家に帰るのが気まずかったのって……俺のせいか?」


家に帰る途中、焦凍が下を向きながら消え入りそうな声でそう聞いてきた。
爆豪に言われたことを気にしているのだろう。


『んー、そうだね。でも、もう気にしなくて良いよ。大丈夫、だから』


きっかけというのはやはり大切だと思う。
ちょっと、不本意だけど爆豪のおかげだ。本人はそんな事、気にしてもなさそうだけど。


「……そうか。…なぁ、アイツが…」


焦凍の声が少しだけ震えた気がした。
悔しそうに唇を噛んでいるように見えるのは気のせいだろうか。
下を向いていて、よく分からない。


『なに?』


「………アイツが、Aの好きな奴、なのか?」


『え?』


顔を上げて、私の方を向いた焦凍の顔は歪んでいて、泣きそうだった。

なんで、なんでそんな顔するの?
それじゃまるで………


『いや、だなぁ。違うよ』


苦笑してそう言った。
ドクンッと胸がなって苦しい。

まだ、私は…君が好きみたいだ。


「…そうか」


ホッとした表情で、私から顔を晒す焦凍。


「……か……た」


『…?』


「それにしても、次からは連絡入れろ。心配するだろ」


『ごめんなさい』


そう謝りながらも少しだけ嬉しくって顔が綻ぶ。
勘違いしてはダメだ。焦凍は妹として私が心配なんだとそう言い聞かせても頰がたるんでしまう。


「本当に反省してんのか?」


『してるって』


「次、あったら許さねぇ」


心配性だなぁ。
爆豪がシスコンと言った意味もわかるかもしれない。


『あはは。善処します』


そんな事を話しながら、家についてすぐ姉さんが迎えてくれて抱きしめられる。
あぁ、本当に迷惑をかけてしまった。と少しだけ後悔した。


「A、お父さんが呼んでたわよ。焦凍も」


いや、かなり後悔した。


◇◆

「焦凍、Aを迎えに行け。いいな?」


父からの用件は、私の迎えを焦凍がしろという事だった。
今日のような事があったら堪らないらしい。


『一人でも大丈夫なのに…』


「少しの慈悲も与えんぞ」


『分かりました』


どうやら、かなりご立腹のようで父の顔はまるで鬼のようだ。


「焦凍、頼んだぞ」


「お前に言われなくても分かってる」


焦凍は相変わらずだなぁ。
そう、苦笑いをしながらも二人の話に耳を傾けた。

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設定タグ:ヒロアカ , 轟焦凍 , 双子   
作品ジャンル:恋愛
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか?それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います! (2018年8月18日 12時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます!直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます!!続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです!!頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おつきみ | 作成日時:2017年12月5日 23時

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