＋バレンタインデー ページ29
ーー付き合ってる設定ーー
家の中がチョコレートの匂いで包まれている今日この頃。
明日は、バレンタインという日らしい。
『焦凍、入ってきちゃ、ダメ！だからね！』
台所から聞こえるそんな声に苦笑しながらも「分かってる」と返事を返した。
バレンタイン…か。
そういえば、小学校の時にも沢山もらった気がする。
Aのチョコも美味しかった。
そんなことを考えながら、自分の部屋へと戻り勉強道具を広げた。
Aのお菓子作りはまだ時間がかかりそうだし、暇なのだ。
しばらく、宿題をして気づくと２４時前。
かなり勉強していたらしい。
「Aは……」
まだ、お菓子作りをがんばっているのだろうか。
様子を見ようと思って、部屋を出ようと立ち上がった瞬間、コンコンと控えめなノックが耳に届いた。
ふんわりと甘い匂いが部屋に漂う。
「入っていいぞ」
『…あ、あのね焦凍。その、失敗しちゃって…』
泣きそうな顔で申し訳なさそうに謝るA。
『本番、明日なのに……ごめん。チョコレート渡せない、の』
「そうか。大丈夫だ、気持ちだけ受け取っとく」
ぽんぽんと頭を優しく撫でて、そう言い聞かせると、Aは安心したのか笑顔で頷く。
カチッと時計の針が動いて、12を指した。
バレンタインデーだ。
『チョコはないけど……好きだよ焦凍』
そう微笑むAがいつも以上に可愛く思えて、ギュッと抱きしめた。
「俺は、愛してる」
そっと、触れるだけのキスをすれば、Aは甘ったるい匂いを撒き散らしながらも、はにかんだ。
『もう一回……して、？』
その甘ったるい匂いに溺れるのもまた、いいのかもしれない。
そんなことを考えた。
・
「っていう、夢を見たんだが」
目の前で眠たそうに俺の話を聞いていたAは目を見開いて、顔を赤くしていく。
『…焦凍のバカ。嫌い』
「俺は好きだ」
『…っ！！私の方が好き』
夢も良いが、やっぱり本物のAの方が可愛いな。なんて、考えながらAの手を取る。
本人は恥ずかしがりながらも手をしっかり握ってくれた。
「学校、行くか」
『うん！！』
今日はバレンタインデー。
◇◇
間に合わなかった……
というわけで、バレンタインデーの番外編です。
楽しんでもらえたのなら幸いです！
これからも淡い関係をよろしくお願いしますm(__)m
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
