２５.勝己 ページ26
爆豪から逃げ切って、家に帰ることが出来た。
とりあえず、爆豪を怒らせたら怖いということで、もうやらない。
「おかえり」
『…ただいま』
汗だくだくだというのに焦凍に会ってしまった。
少しだけ、目線を下げてしまう。
「…風邪ひかねぇように風呂入れよ」
『……うん』
そんな私の気持ちを察してか、すぐに戻っていく焦凍。
……一からやり直すといったものの、どうすればいいのか分からないのが現状だ。
『…走ってこよ』
どうせ、汗だくだし。
そう思いながら、準備をして家を出た。
頭の中を回るのは焦凍のことと今後のこと。
しばらく走って、人気のない広場に出るとBOM!!という爆発音が聞こえて足を止めた。
そして、顔をしかめる。
今日はよく会うなぁ。
『爆豪……』
「……ぁ？お前…」
タンクトップで、汗だくな爆豪は私を見るや、近づいてきて私の胸ぐらを掴んだ。
「今日の、忘れたとは言わせねぇぞ」
『忘れた』
「あ゛？この…水女」
パッと胸ぐらを離したかと思えば、今度は舌打ちをして私に背を向ける爆豪。
今気づいたが、爆豪についてる筋肉は焦凍とあまり変わらないかもしれない。
「もういい。はよ行けや」
『ところで、爆豪はなにしてんの？』
「人の話聞いとんのか！！！」
『聞いてるよ。それで？』
「チッ、鍛えてんだよ。みりゃ、分かんだろ」
見かけによらずといったとこか。
爆豪も爆豪なりに頑張っていたらしい。威張るだけってわけじゃないのか。
『可愛いとこあるんだね』
そう言えば、爆豪は顔を歪めて爆発を起こす。
よほど気に入らなかったらしい。
「今すぐ消えろ、カス」
『んー、家に帰りたくないから、もうちょっと居てもいい？暇だし』
「はぁ？早よ帰れや」
『邪魔はしないから』
そう言うと、許してくれたのか鍛錬を始める爆豪に笑みが溢れる。
素直じゃないなぁ、なんて。
『焦凍とは正反対…』
「ぁあ？なんか言ったか？」
『いや、別に』
私自身、焦凍の名前が出てきたことに驚いた。
まだ、無意識に焦凍のことを考えてしまっているらしい。
ほんと、何やってるんだろう。
「帰りたくないって、家族と喧嘩か？」
不意に、そう爆豪が聞く。
腹筋やらなんやらしながらも私と話してくれるらしい。
『…まぁ、そんなとこかな』
「ハッ、喧嘩に負けて飛び出て来たんか？」
『……違う、と思う。ただ、私が中途半端なだけ』
そう返すと爆豪はもう何も聞くことはなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
