１５.後悔 ページ16
「焦凍」
うるせぇ。
嫌いなアイツの声が聞こえて思わず耳を塞いだ。
違う。俺が聞きたい声はお前なんかじゃなくて………。
もう、あの事件から何週間も聞いてないAの声が聞きたくてしょうがない。
「聞いているのか！！焦凍ォ！」
何で、何でだ？
何でみんな俺をおいてどっかに行っちまう？お母さんもAも……
俺のこと、嫌いなのか？
「おい！！焦凍ォオオ！！」
「うるせぇな、なんなんだお前」
「親に向かってその態度は何だ！！！…はぁ、まぁいい」
アイツにしては珍しく、すぐに怒りを抑えると俺の目の前に胡座をかいて座った。
その姿に舌打ちしそうになるが、なんとか抑え込む。
「よく聞け、Aの場所がわかった」
「本当か！！？どこだ？どこにいる！！」
「それは教えられん。とりあえず、Aは必ず救い出す。お前は今すぐそのうじうじした態度を止めることだな」
「…チッ、分かってる」
腐ってもヒーローらしい。
これで、助けられなかったらどうしてやろうか。そう考えながらもソイツを睨む。
本音を言えば、俺も行って、今度こそAを完璧に助けてやりたい。
「いいか、お前はジッとしてろ」
「……救い出さなかったら、どうなるか覚えとけよ」
A。
無事でいてくれ。
「フン、俺を誰だと思っている」
それだけ言うとアイツは部屋を出て行った。
多分、もう行くのだろう。
俺に出来ることは祈るだけで、何も出来ない。
なにが、守るだ。俺は誰も守れていないじゃないか。
それが、悔しくてドンッと壁を殴る。
「ごめんなA」
あの日から俺は後悔しかしていない。
◇
ザーザーと雨の音が響く中で不意に玄関の扉が開く音が聞こえた。
アイツが帰って来たのだ。
そうと分かれば一目散に玄関に走りより言葉を失った。
「…A？」
そこには、アイツの腕の中でぐったりとしているAの姿があって目をそらす。
俺のせいだ。
頭の中でそんな言葉が響いた。
「拷 問されていたらしい。幸い、そんなに酷いものではないから大丈夫だ」
コイツは何を言っているのだろう。
酷いものではないから大丈夫？
そんなわけ、ないだろ。
Aの身体中にはたくさんの傷ができていて、爪も所々剥がれている。
そして、何より斬り付けられた片目から流れる血が酷さを物語っていた。
「今すぐ、病院に連れて行く」
それだけを言って、Aを奪い取った。
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
