１４.記憶 ページ15
「どこまでの記憶なら残ってるかな？」
そう言った先生に疑問を覚えて首をかしげる。
この１ヶ月、私は病院で寝ていたんじゃないの？
『えっと、敵が襲ってきて、倒れたところまで』
「…やはり、そうですか」
少しだけ嫌な予感がした。
背筋を冷たい何かが掠めるそんな感覚。
『…私はいつ、この病院に…来たの？』
「…………一週間前ですね」
その言葉にようやく私が置かれている状況が分かった気がした。
私は病院に来るまでの間、何をしていたのだろうか。いや、きっと分かっている…でもその答えを認めたくなくて、恐怖が体を震わせた。
『私は……どこに』
バンッ。
そんな音が聞こえてビクリと肩が上がった。
恐る恐るその音がした方を向くと、扉を片手で開けたのかそのポーズのまま肩で息をしている焦凍の姿があった。
ここまで、走って来たのだろう。
『焦凍…、病院は走っちゃダ』
「A！！！」
『人の話を聞いて』
勢いよく私の方へ走って来たかと思えば、ギュッと抱きしめて来る焦凍。
その温かさに懐かしさを覚えて、まぁいいかと抱きしめ返す。
今日だけは、許されるだろう。
「ほんと、に。良かった……」
『焦凍も』
「ハハ、仲がいいね。焦凍くんは毎日、病院来てたから」
そうだったのか。
たくさん、心配をかけてしまったらしい。
『ありがとう焦凍』
「もう、あんなのは嫌だからな」
『うん』
「絶対に俺から離れるなよ」
『うん』
「俺が守るから」
『分かったよ！分かったからもうこの話はやめよう』
真面目に心臓が持ちそうにない。
そう苦笑してから、焦凍は疑問を浮かべながらもコクリと頷くのが分かってホッとする。
「それじゃ、話してもいいかな？」
先生はコホンと息を吐きながらも私たちの方を見た。
焦凍を抱きしめる力を弱めて、座るように促す。
最初は不貞腐れたような顔をしていた焦凍だったが、すぐに従ってくれた。
「まず、Aちゃんは三週間ほどの間、敵に囚われていた。その記憶はない」
『！！……はい』
「君を救ったのはエンデヴァーで、その敵は警察に引き渡されている。そこで、君の状態なんだが……」
「言わなくていいだろ」
そっぽを向き口を尖らせる焦凍。
その表情には怒りが見て取れた。
『知りたい』
「知らなくていい」
『なんで』
「なんでも」
このままじゃ埒があかないので、今日のところは聞かないでおいた。
先生の表情が暗いのも気になるし。
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
