１２.絶望 ページ13
それは、突然だった。
殆どの子がお昼御飯を食べ終えて会話に花を咲かせていただろう時。
ｼﾞﾘﾘﾘﾘ
そんな絶望の鐘が鳴り始めた。
緊急の放送と警報に誰もが唖然とし、次の瞬間、顔を蒼白にさせた。
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誰かが外を見て叫び、教室内はパニック状態。
廊下は渋滞が起きているのか人の波で溢れかえっていて、時々聞こえるのは泣き声と怒りの声。
「A、行かないのか？」
『……どうしようか』
敵と言っても、三流の雑魚だろう。
父に大体の敵は個性を持て余しているただのチンピラだと聞いたことがある。
こういう時こそ、冷静に判断しなければ。
「…A？」
『え？あ、…あぁ、ごめん、聞いてなかった』
「行かないのか？」
廊下を指差して首をかしげる焦凍。
『うん、行こう』
今は、先生の指示を求めに行ったほうが良さそうだ。
そう思って、廊下へと足を進めた瞬間、パリンッと窓が割れる音が響いた。
『……ぇ？』
後ろを振り返ると、逃げ遅れている他の生徒が敵の目前にいるのが見える。
敵の手には刃物。
「…まずは、一人」
ニタァと笑った敵は一人の生徒をより速く殺した。
バタリと力無く倒れる生徒とダラダラと流れる真っ赤な血。
そして、無数に聞こえる悲鳴の数々。
あぁ、これは…恐怖だ。
さっきまでは震えていなかった手足がまるで子鹿のように震え始めた。
大丈夫だろうと、他人事のように考えていたことへの罰だろうか。
「あーぁ、震えちゃって、可愛いねぇ？」
ビクリと肩が震えて、その瞬間手を引かれる。
瞬きの一瞬で、私と敵との間に氷の壁が出来ていた。
「逃げるぞ！！A！」
私の手を握った焦凍が廊下に向かって走り始める。
あぁ、焦凍に…助けられたのか。
そう思うと、情けなくて悔しくて。
でも、握られた手から伝わる焦凍の体温に安心して。
涙が出そうになった。
そんな安心は呆気なく砕け散るとも知らずに。
「逃がさないよぉ、Aちゃん？」
これは、絶望だ。
私の人生の中で一番の悲劇だ。
そう、私は思っている。
『しょ、うと』
私が最後に見た景色。
氷が砕け。
焦凍の片腕から血が流れ出し。
狂気的な笑みを浮かべた敵。
そして、視界が真っ赤に染まった。
もう一度言おう。
これは、絶望だ。
でも、それ以上に。
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
