１０.学校 ページ11
「いいなー、Aちゃんは。焦凍くんと兄弟で」
クラスのある女の子がそんなことを私に言った。
言葉とは合わず、目が笑っていないがそれを気にせずに『そんなことないよ』と笑う。
「でも、兄弟同士じゃ、好きになれないかぁ」
ドキッと心臓の音が大きく鳴ったきがした。
その言葉に続いて、他の女の子も「残念だよね」などと話に入ってくるがそんなことは耳に入らなくて。
「兄弟同士の恋愛はダメだもんね」
その言葉だけは妙に頭の中で響いていた。
そう、兄弟同士の恋愛はダメらしい。
それを知ったのはいつだっただろうか。
『……な、……た…』
「どうしたの？Aちゃん」
数人がクスクスと笑う。
この子たちが何を言いたいのか。分かりたくないのに、分かってしまった。
『それがなに？なにが言いたいわけ？』
ようやく絞り出した声でそう聞く。
持っていた鉛筆からミシッという悲鳴が聞こえた気がした。
「可哀想だなって」
あぁ、やっぱり。
兄弟でも近づくなということだろう。
それと同時に、いつも焦凍の隣に居れる私に対しての嫉妬。
なんて…。
『醜い』
そう呟けば、聞こえてたみたいで女の子達は顔を歪ませながら「Aちゃんなんて嫌い！」と叫んだ。
当然、その声は周りに聞こえるわけで焦凍の耳にも届いていることだろう。
あぁ、めんどくさい事になってしまった。
なんで、あんなことを言ってしまったのだろうか。
そんな後悔と。
素直に反抗できたという満足感。
それらがごちゃ混ぜになってなんだかよく分からない。
周りを見渡してみると、他のクラスメイトはこちらを見たまま動こうとしないのが分かった。
その理由は、簡単で。
焦凍が私たちのほうへ向かって来ているからなのだろう。
「なぁ、お前ら」
ビクリと目の前にいる女の子達が肩を震わせた。
その顔はさながら青く見える。
「なに？焦凍くん」
それでも、貼り付けている笑顔に流石の私も賞賛したくなる。
そこまでして焦凍を好きになれるのだから羨ましい。そう思ってしまった。
「Aは、俺の妹だ。仲良くしてやってくれ」
「…！！あ、うん！もちろんだよ。ねぇ？」
「そうそう！」
「任せて！」
別にいいのに。
その言葉は折角の焦凍の行為を無駄にしてしまうのだろう。
そう思うと、言うに言えなくて口を閉じた。
あぁ、やはり学校は大変だ。
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
