エピソード11 ページ1
「A〜〜！」
背後から飛んでくる声。
後ろを振り向けば、物凄い勢いで、走り寄って来るゾムくんの姿。
その勢いは止まることを知らない。
「ちょ……ゾ…グッ」
背中に抱きついて来たゾムくん。あまりの勢いのよさに、前のめりに倒れ。
グイッと腕を後ろに引かれる。
お陰で、重心を持ち直して、顔面を強打することなく倒れることもなかった私は、安堵のため息を吐いた。
「ゾムくん」
「…いやでも、転げんかったやん？」
「確かに」
いやいや、そうじゃない。
丸め込まれそうになる思考を、頭をブンブンと振ることで、呼び覚まし、「危ないよ」と叱る。
「Aの背中見つけたら、抱きつきに行きたくなるんやもん」
なにその可愛い理由。
思わず、許してあげそうになるところで、我を取り戻し、「ダーメ。今度からはしないでね」と宥めるように言えば、「分かった」と渋々了承するゾムくん。
素直だったので、優しく頭を撫でれば、ゾムくんは嬉しそうに顔を綻ばせた。
「どこ行く予定やった？」
「職員室」
「なら俺も、ついて行く！」
「え？」
珍しい。
学校が嫌いなゾムくんが、職員室について来るなんて、初めてのことで少し戸惑う。
そんな私の様子を不服そうに眺めたゾムくんは、「あかんの？」と首を傾げながら、私を見下ろした。
「全然良いんだけど。職員室だよ？」
「おん」
「先生、いっぱいだよ？」
「……おん」
「ふふ、間」
「だ、大丈夫やって！」
引き下がる気はないらしく、私も断る理由はないので、一緒に職員室に向かうことにする。
外からは運動部の声が賑やかに聞こえ、少し静かな廊下の中をゾムくんと二人で歩く。
放課後にもなると、校舎内にいる生徒はほとんどおらず、人とすれ違う事はそんなに無かった。
「なぁなぁ、A。俺のどこが好き？」
不意にゾムくんが聞く。
ゾムくんにとっては、流れとか場所とかあんまり関係ないのかもしれない。
どうして、今なのか。
あまりに急な質問に「急にどうしたの？」と思わず聞き返す。
「……いや…その」
歯切れの悪い。
言う事を躊躇うようなそんな様子のゾムくんに、視線を合わせるように見上げて、言葉を待つ。
「……夢、見てん。…付き合う前の…」
「付き合う前？」
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月見(プロフ) - ゆうなさん» 感想ありがとうございます！！文才が足りないところも多々ありますが、頑張ります！（笑） (2021年2月22日 20時) (
レス) id: 3ca37bb3dd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 続編…！！！！！はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、、、ゾムがイケメンだ、イケメンだぁぁぁぁぁっっ！！！そして夢主も可愛いっっっ！！ぁぁぁぁぁぁあぁあ、話が面白すぎる！そしてめっちゃ癒されます…てかもうにやけ顔が収まらんww これからも頑張ってください！！！ (2021年2月18日 4時) (レス) id: 53cc08d6c4 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - RURUさん» 続編の方にも、感想ありがとうございます！続編も頑張りますね！ (2021年1月23日 16時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - すき焼き…(訳:続編も最高です) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年1月13日 23時
