エピソード１ ページ10
人から見れば、私は物凄く恵まれてて、幸せな奴なのだと思う。否、自分から見てもそう思う。
それと同時に、人からの妬みや僻みを向けられたことなんて一度もなかった私は、最近になって、そういう対象になってしまったことが少し怖かったりもする。
とはいえ、後悔はしてはいない。
「…ほら、あの子だって…」
お弁当を手に廊下を歩けば、すぐに視線が刺さる。恋愛漫画の様に呼び出したり、定番のやつは無いが、この視線の中で歩くのは、いつになっても慣れない。
「……ま、仕方ないか…」
小さくそう呟いて、足早に廊下を進む。
お昼休憩が始まって、すでに５分が経っている。早く行かないと、ゾムくんがお腹を空かして待っている可能性が高い。
とは言っても、寝ている可能性もあるのだが。
起きててくれると良いんだけど…。
進むほどに人気が少ない所に出る。ここから先は、生徒会と許可を得た者しか入れない区域だからだろう。
その区域に、迷いもなく足を踏み入れ、タッタッタと軽く小走りで、彼のいるであろう部屋まで向かう。
いつも、彼がサボる為に使っている部屋だ。
弁当箱を抱え直し、髪を少しだけ整えて、笑顔を作れば完璧で、その部屋の扉をゆっくりと開けた。
「…ゾムくん？」
日の光が届く場所で、丸まりながらも吐息を立てている彼氏さん。
余程、気持ちが良いのだろう。その表情は穏やかで子供の様に映った。
ふふ、可愛い。
起こさない様に扉を閉めて、寝ている彼の隣に座る。
優しく頭を撫でれば、サラサラとした綺麗な茶色の髪の毛が指に絡みつく。
いつも深く被っているフードは、今この時だけは外れており、顔も眺め放題である。
「んんっ……A…」
小さく、私の名前を呼ぶゾムくん。
どんな夢を見ているのかは分からないが、幸せな夢であることを願う。
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月見(プロフ) - RURUさん» 感想ありがとうございます！もっと、二人の仲を上手く書けるように頑張りますね！（笑） (2021年1月23日 16時) (
レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 尊い…(尊死)好k(昇天) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - あんこおさん» 感想ありがとうございます！続編も頑張ります！（笑）rdさん了解しました。私も考えていたので、絶対書きます！（笑） (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みかん_(:3」z)_さん» いえいえ！そんなことないです（笑） (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - もう夢主もZさんも可愛すぎてこっちが昇天します。続編頑張って下さい！！あと、ついでに青いrdさんと絡ませてくれると嬉しいです() (2021年1月11日 19時) (レス) id: 922d9dcc2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2020年12月27日 17時
