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「よし、できた」


筆記用具を片付けて、日誌を閉じる。
ゾムくんがきたときに、すぐに帰れる様に準備を始め。そんなタイミングで、また教室の扉が開いた。


「お、終わった?」


「うん。もう帰れるよ」


「お疲れ〜」


ゾムくんの言葉に笑顔を返しながらも、鞄に教科書類を入れていっていると、ぴとっと頬に触れる冷たいモノ。
ビクッと体が震えて、一瞬動きを止める。ゾムくんの方を向けば、イタズラが成功した子供の様に笑っており、眉を下げた。


「もう、子供じゃないんだからさ」


「え〜?Aの反応がおもろいんやもん」


「…ゾムくん、しらない」


不機嫌そうに顰めっ面をすれば、ゾムくんは反省しているのかしていないのか分からない声音で「ごめんってば」と謝る。
そう言われると結局、許してしまう私は、ゾムくんに甘いのだろう。


「イチゴミルク、好きやろ?」


「……うん。ありがと」


私の頭にイチゴミルクの紙パックを乗せて、ゾムくんは私の顔を覗き込む。


「かわい」


何を思ったのか。その言葉に、ぶわっと沸騰するかの如く、顔が赤くなる。

こう言うところ、本当に嫌い。

頭に乗っかっているイチゴミルクのパックを両手で掴んで顔の前まで持っていく。


「ん…」


「は?」


「ぇ?」


イチゴミルクのパックで顔を隠しながらも、褒められて悪い気はしなかったので、感謝の意を込めて頷けば、予想外の反応が返ってきて、首を傾げる。
ゾムくんは、ため息をつくと私の肩に腕を回して、ニコッと笑った。
急に近くて、赤かった顔が回復することもなく、耳まで赤く熱を帯びていく。


「ぞ、む…くん?」


「ちょっと、黙ろ」


え、理不尽。

言われた通り、黙れば、ゾムくんは私の肩に頭を乗っけて、スリスリと擦り付けてくる。時々、首元をゾムくんの髪の毛が撫でてきて、くすぐったい。
棒立ちの私は、ゾムくんにされたい放題で、喋ることもできず、なにもできない。そんな中で、ゾムくんは、小さく呟いた。


「学校やなかったら、危なかった…」


「!?」


私の肩から頭を離して、私の目をじっと見つめてくるゾムくんに。囚われているかの様に、視線を逸らすことができない。


「A、俺のこと、すき?」


また、予想外の言葉。
甘くて、熱くて、蕩けそうで。そんな雰囲気の中で、ゾムくんは私の言葉を待つ。

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月見(プロフ) - RURUさん» 感想ありがとうございます!もっと、二人の仲を上手く書けるように頑張りますね!(笑) (2021年1月23日 16時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 尊い…(尊死)好k(昇天) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - あんこおさん» 感想ありがとうございます!続編も頑張ります!(笑)rdさん了解しました。私も考えていたので、絶対書きます!(笑) (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みかん_(:3」z)_さん» いえいえ!そんなことないです(笑) (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - もう夢主もZさんも可愛すぎてこっちが昇天します。続編頑張って下さい!!あと、ついでに青いrdさんと絡ませてくれると嬉しいです() (2021年1月11日 19時) (レス) id: 922d9dcc2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見 | 作成日時:2020年12月27日 17時

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