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「…んっ…うま。A」
「…？なーに？」
名前を呼ばれたので、ゾムくんの方を向けば、ふにっと唇に押しつけられる卵焼き。
え、なに？
「ハンバーグと交換」
卵焼きを押し付けられながらも、視線をゾムくんのお弁当箱に移せば、すでにハンバーグだけが無くなっている。
「栄養…」
「だめ？？」
「……んっ」
仕方ないので、ゾムくんの卵焼きをパクッと食べて、代わりにハンバーグを半分に切り分ける。
「はい、どーぞ」
と、ゾムくんのお弁当箱に切り分けたハンバーグを乗せようとしたが、ゾムくんがお弁当箱を持ち上げて、首を横に振った。
いや、ハンバーグじゃん。
訳わからず、首を傾げれば、ゾムくんは口を開けてジッと私の方を見る。
そこまでされて、わからないほど私も馬鹿ではない。
「…はぁ…。あーん？」
「あー…んっ」
ゾムくんの口までハンバーグを持っていけば、嬉しそうにソレを食べる。なんだか、犬に餌付けをしているみたいだ。
無意識に、ゾムくんの頭を撫でれば、ゾムくんは少し不機嫌そうに顔を歪める。
「…餌付けみたいとか思っとりそう」
「……」
ふいっと顔を背けて、ご飯を一口。
じとーっと見つめられる目に、少しの冷や汗が背中を撫でた様な気がした。
「ふーん。……ま、いっか」
ふぅと一息ついて、またご飯を一口。
機嫌が治ったゾムくんは、嬉しそうにご飯を頬張っており、特に問題はなさそうだ。
「A」
また、名前を呼ばれる。
おかわりなんて言われたらどうしようか。なんて考えながら、ゾムくんの方を向こうとすれば、グイッと腕を引かれた。
そして、それも束の間。
「んっ…む」
あっという間に口を塞がれる。
口の中で転がしていたのだろうデザートのイチゴを無理やり、ねじ込まれ。甘くてすっぱい味が口の中に広がっていく。
ゆっくりと、私の口内を楽しんだゾムくんはようやく離れると、ニヤッと笑った。
「かわい。…そのイチゴ、あげるわ」
真っ赤になっているだろう顔で、コクコクと頷いて、イチゴを噛む。
モグモグと口を動かす私を、愛おしそうに眺めたゾムくんは、優しく私の髪を掬った。
…きっと、飼われているのは私の方だ。
そんなことを考えて、残ったイチゴを飲み込んだ。
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月見(プロフ) - RURUさん» 感想ありがとうございます！もっと、二人の仲を上手く書けるように頑張りますね！（笑） (2021年1月23日 16時) (
レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 尊い…(尊死)好k(昇天) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - あんこおさん» 感想ありがとうございます！続編も頑張ります！（笑）rdさん了解しました。私も考えていたので、絶対書きます！（笑） (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みかん_(:3」z)_さん» いえいえ！そんなことないです（笑） (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - もう夢主もZさんも可愛すぎてこっちが昇天します。続編頑張って下さい！！あと、ついでに青いrdさんと絡ませてくれると嬉しいです() (2021年1月11日 19時) (レス) id: 922d9dcc2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2020年12月27日 17時
