硝子さん ページ6
ふわ、と意識の浮上する感覚。
あ、生きてる…
心臓部分に手を当ててしっかり動いていることを確認する。
良かった、ちゃんと動いてる。
ふぅ、と一息ついて起き上がる。
「ここは… 処置室、か…？」
見たこともない器具や包帯、消毒液や大きいライトなど、とても医務室には見えない。
…え？
ちょっと待て、この台って…
体にかかる白い布と上半身裸の状況を不審に思い周りを見ると、トレーの上に乗ったメスやゴム手袋、
よく見ればこの台、ベッドじゃない…
もしかして俺、危なかった…？
すると、扉の奥からコツコツコツ、という音が響いて聞こえる。
ガラッと音を立てて扉を開けたのは、
「お。起きた？」
「硝子さん」
「驚いたよ。右胸に穴が空いたお前が突然現れたと思ったらまたすぐいなくなるんだ、正直死んだと思ったね」
「…悪い」
まぁ俺も死んだと思ったしね。
右胸でっかく貫通しててよくこんな跡形もなく治ってんな…
改めてグリムジョーに感謝だわ。
「そうだ… 虎杖の遺体、見にいく？」
「…行く」
「そこにパーカー置いてあるから、着たらおいで。右手側３つ目の部屋だよ」
その言葉に返事をすることなく俺は硝子さんが出て行った扉の方を見つめ、しばらく動かなかった。
虎杖…
本当に死んだのか？
俺の最後の記憶は心臓部分に穴を開け、うつ伏せに倒れる虎杖。
俺もその後に倒れ、雨のせいもあってか血溜まりがどんどんと広がっていった。
上の連中はなに考えてやがる…！
大方、この任務で俺と虎杖を殺す算段だった、ってところだな…
それで伏黒と釘崎が怪我をしたとしても、五条さんは生徒を大事にしてるから嫌がらせできてラッキー、と考えるのが妥当か。
ペタペタと薬品棚の横にある大きな鏡の前まで歩いて行き、異常がないか見る。
心臓の場所… 傷跡もない…
あまりの精密さに感嘆しながら、クル、と後ろを向くと、削ぎ落とされたような傷跡になっている
そこに見慣れた数字はない。
「おい、グリムジョー」
_______「なんだ」
「数字がない…！」
_______「あぁ、それはしばらく没収だ」
「は？」
_______「テメェは雑魚だからな。俺がもう１度お前を認めたら、数字を戻してやってもいい」
「…そーいうことかよ」
ッハハハハ！と頭に響く笑い声を無視するように舌打ちをする。
くそうぜぇな…
はぁ、虎杖んとこ行くか。
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夜桜(プロフ) - 面白いです。頑張ってください グリムジョーが、カッコイイです。 (2021年2月20日 17時) (
レス) id: 61068c4ac1 (このIDを非表示/違反報告)
むーちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます！凄くいい展開で楽しみです！更新頑張ってください！！ (2021年1月16日 10時) (レス) id: 61a580f902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮 | 作成日時：2021年1月15日 16時
