嫌いなもの １ ページ44
白ひげ海賊団が愛し子 Aはたった今、経験したことがないほどの問題に直面していた。
「ん"ん"んー！！！！」
「こら、お嬢。にんじんも食べなきゃダメだろう？」
「や！いや！！」
「嫌じゃない。食べないと大きくなれないぞ」
そう、
事件が起きているのは昼時の食堂。今日のA係は子供の世話が特段上手いイゾウだったのだが、それとこれとは別の話。
最近のAの発達は目まぐるしく、好きなものと嫌いなものの区別が真っ先につく。
それが今困っていることなのだが。
何を隠そう、にんじんが食べられないのだ。
「にんじんやだ！」
「美味しいぞ？ほら、ぱくっ。んー！おいしいー！」
「おいしい、ない！！」
Aの目の前で美味しそうに食べてみるも、玉砕。
ぷいっ、と頑なに口を閉じてそっぽを向かれてしまった。
A自身も好き嫌いは自覚し始めており、いけないことだとはなんとなく理解していた。
しかし、美味しくないものは食べたくないものである。
なんとかして食べてもらおうと周りに座っていた兄たちも加勢する。
ちなみに食事時のA周辺の席はいつだって取り合い。そう、戦争なのだ。故に、周りに座る者たちは歴戦の猛者ばかり。
Aをこよなく愛するものばかりである。
「ほら、イゾウの言うとおり美味いから食ってみろ」
「おいしいない！！」
「あーんしろ、食わせてやるよ。特別だぞー？」
「………らくよ、きらい！！」
「ッな…………！」
なんて殺傷能力の高い言葉であろうか。かわいそうに。
サラサラと灰になり崩れ落ちていくラクヨウを表すのならば「燃え尽きたぜ…真っ白にな…」がぴったりだ。
ならば俺が、俺が！と次々に手を挙げるも無惨に散っていく兄たち。
無念。
そんな中、2人の兄が立ち上がる。
「つーかさ、食いたくねェって言ってんだから食わせなくてもよくね？？」
「えーす！！」
「確かにねぇ。別ににんじんひとつでAが重大な病気にかかるわけでもあるまいし。そうならないためのサッチなわけだし」
「はぅた！！」
今の劣勢を共に覆してくれそうなこの2人を見てAの目は輝きに満ち満ちていた。
言わんとしていることも分からんでもない。確かに、にんじんから摂れる栄養素なんて決まっているし、他で補えないことは決してない。
が、そういう問題ではないのだ。
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ひかり(プロフ) - 平和すぎてなんか友達とたけのこ派かきのこ派か口論してんの馬鹿らしく思えてきました笑 (10月17日 20時) (
レス) @page46 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
ロイ - みんな、メロメロでおもしろい！更新楽しみにしてます！ (9月2日 13時) (レス) id: 97a54b5f8a (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - やっぱり幼女は世界を救いますよね（） (8月27日 15時) (レス) @page41 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
こーへい - 妹が可愛すぎる！（グハっ！！！！） (5月27日 18時) (レス) @page28 id: 3e75524924 (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 妹ちゃん優しすぎます！！ (2023年4月11日 12時) (レス) @page28 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮 | 作成日時：2023年2月23日 4時
