不思議な出来事 ６ ページ36
No side
浮いたり沈んだり、はっきりとしない意識の中、薄ら目を開けるAの目の前には驚くべき光景が広がっていた。
自身が敬愛してやまない、我が白ひげ海賊団が1番隊隊長のマルコが今にも意識を飛ばしそうなほどに傷ついているではないか。
湧き上がる怒りに暴れるが、その小さな体では繋がれた鎖を壊すことは叶わない。
………この際仕方がないか。
そう、記憶にもない思考が頭をよぎる。
次の瞬間、Aの身体は大きく、美しく変容していた。
__________
突如吹き飛んだ男にマルコは目を見開く。
いったい誰が。
まさか、その背後に佇む美しい銀色の髪を持つ女がやったのであろうかと考える。
2足の獣の足を持ち、頭にはツノがみられる。およそ人間離れした見た目とは裏腹に、神聖さがその者を顕していた。
無理もない。
それほどまでに彼女は美しかった。
「大丈夫？」
ゆったりとした動きで、女はマルコへ近づく。
彼女の歩いた後には小さな花々が咲き誇っていた。
「あれ、聞こえてない？」
「あ、いや…だ、大丈夫、だ」
「そう。じゃあ、早く鯨のもとにお帰り」
こてん、と首を傾げ尋ねる女。
答えると、早く船へ帰れと言う。しかし、マルコの身体に施された数々の傷や海楼石の弾丸のせいで動くことすら厳しい。
そんな様子を読み取ってか、女は優しく微笑み傷口を軽く治していく。
その時、先ほどまで動けなかったもう1人の男が後ろから女に殴りかかろうとしていた。
「おい！後ろ！！」
「今、私は気分が良くないの。あっちに行って」
殴りかかったところに、まるで盾があるかのように阻まれた男の拳。
女が声を発すると、こちらもまた遠くへ飛ばされたようだった。
「さぁ、もう大丈夫なはず。マルコ」
「な、なんで俺の名前…」
「あなた、海賊でしょう。
自由を愛する海賊たちと一度だけ会ったわ。名前は、なんていったかしら……… あァ、そうね、確か、��ゴール・D・ロジャー��。彼は好きよ、私に自由をくれたもの」
ゴール・D・ロジャー
その名前を聞いてマルコは今日何度目かの驚きを示す。彼が生きていたのが何十年前の話だと思っているのかと。
たとえ知っているものが生きていたとしても、もっと歳食っていていいはずだ。
「アンタ、名前は」
「A。レザラクシア・ファル・A」
女はマルコへ近づき、しゃがみ込んで目を合わせた。
何かを愉しむようにその浅葱の双眸で笑い、その長い髪を翻して消えていった。
夜は、もう明けてきている。
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ひかり(プロフ) - 平和すぎてなんか友達とたけのこ派かきのこ派か口論してんの馬鹿らしく思えてきました笑 (10月17日 20時) (
レス) @page46 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
ロイ - みんな、メロメロでおもしろい！更新楽しみにしてます！ (9月2日 13時) (レス) id: 97a54b5f8a (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - やっぱり幼女は世界を救いますよね（） (8月27日 15時) (レス) @page41 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
こーへい - 妹が可愛すぎる！（グハっ！！！！） (5月27日 18時) (レス) @page28 id: 3e75524924 (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 妹ちゃん優しすぎます！！ (2023年4月11日 12時) (レス) @page28 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮 | 作成日時：2023年2月23日 4時
