反社のお呪い【呪術廻戦】【東京リベンジャーズ】 (ページ5)

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指名手配犯ページ5

夏油side

「夏油」

自動販売機でコーヒーを買い、中庭のベンチで休憩をして気を抜いていた。

そんな時、背後からした聞きなれない声に思わず肩が跳ねる。

いや、まぁ、出張行くまでは割と毎日聞いてたんだけども。予想していた通り振り返るとそこには蘭先輩が。

今日はゆるっとした格好で、いつもの竜胆先輩とお揃いのスーツじゃない。なんなら髪型もピシッとセットされてない。

正直に言いうと嫌いではないのだが、少し苦手だ。

もちろん後輩の中でも私や悟、硝子はよく可愛がられていたがなぜだろうか。

というか、私何かやらかしたのだろうか。

ツカツカとこちらに歩いてくる先輩を見ながら発せられるであろう次の言葉を今か今かと待つ。

「ハイ、これ」

「？なんですか、これ？」

「夜蛾が渡すようにって言ってたやつ」

「げ…… ありがとうございます、受け取りました」

にこ、と微笑みお礼を述べる。すると蘭先輩もふっ、と微笑み私の横に座った。

え。

なぜ。

？？？

頭にいくつもクエスチョンマークを立てていれば「休憩だよ、休憩」と返ってくる。見すぎた？

「はぁー、竜胆に頼もうと思ったのにアイツ今日郊外まで仕事だったんだよね」

「仕事(・・)、ですか」

「うん」

蘭先輩が＂仕事＂という時は、呪術師の任務のことではない。

任務の時は任務って言うし、出張の時だってちゃんと出張って言う。つまり、

つまりは、＂そっち＂のお仕事というわけだ。

悟がブチギレて非術師を殺そうとした時もそっと落ち着かせてくれたし、私がとある村で大虐殺でも起こそうかと気が滅入っていたときも先輩たちがいたから考え直した。

まぁ、そのあと蘭先輩と竜胆先輩にことの経緯を話したら何故か相手は社会に出てこなくなったが。

呪術規定とやらに則れば彼らは大罪人だろう。でも、そうじゃない。

いつから彼らはそちらの世界へ身を堕としていたのだろうか。

何故処罰がないのか。

しかし、私たちにとってはいい先輩な訳でそんなことを尋ねる勇気もやめさせる勇気もない。

彼らはきっと、生を全うしたその時に地獄の業火で焼かれるのだろう。

　