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湯浴みを終え、不死川が通された部屋で涼んでいると
「不死川さん、」
突如襖が開き、同じく湯浴みを終えたであろう黒羽が顔を出す。
「アンタ…もしかして今日、非番だったりします？」
黒羽の問いに対して、不死川が「あァ」と一言返事をすると
「…って事は、今日此処に泊まりますよね……。___」
黒羽は呟くようにしてそう告げた後、一旦襖を閉め、何処かへと去って行く。
「…？」
不死川が不思議そうな表情を浮かべる中、
先程去った黒羽が、部屋へと戻って来たかと思うと
「家主に聞かれたので…伝えて置きました、雨も止みそうにないので、今日は二人とも一晩世話になると。」
「あと…部屋の空きがないみたいなんで、相部屋でいいとも言って置きました。別にいいですよね、」
襖を閉めながら、淡々とした口調でそう告げる。
対する不死川は怪訝な表情を黒羽へと向けて、
「別にいいって…流石によくねェだろォ、」
「お前が此処泊まるってなら、俺ァその辺の宿にでも___」
そう言って、不死川が立ち上がろうとした時だった。
襖が開き、先程の家主がやって来たかと思うと
「お食事の準備が出来ましたので…失礼いたします、」
丁寧に頭を下げ、食事を差し出した後
家主は去り際、不死川のもとへと寄り
「それにしても…不死川様、いつの間に…生涯の伴侶を見つけていらしたんですね。」
「…とてもお似合いかと思います、末長くお幸せに。」
声を潜めながらそう告げた後、ふたたび頭を下げ、静かに襖を閉める。
「___いただきます、」
黒羽が早速手を合わせ、食事に箸を付けていく中
不死川は睨むような視線を黒羽へと向けて、
「オイ…お前、また何か変な事言ったろォ…」
若干苛立った様子で、そんな言葉を投げ掛ける。
対する黒羽は、不死川の様子を気に留める事なく
「…またって何ですか、私は別に変な事なんて言ってませんよ。」
「あ…不死川さん、これあげます。…あァ、あとこれも……」
自身の苦手な食材を押し付けながら、不死川の言葉に対してそう返す。
「好き嫌いすンじゃねェ…ちゃんと食え、」
対する不死川は、そんな黒羽に注意を促しながらも
「それで…何でお前が俺の伴侶って事になってンだァ…？説明しろォ、___」
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作者名：雫 | 作成日時：2023年9月18日 10時
