変化 ページ6
***
後日、アイツとの約束の日を迎え、鏡の前で支度を行う中
大切に閉まっていた、以前アイツから貰った耳飾りを手に取って
「(任務じゃないし…、今日はこれ付けるか…。)」
翡翠色に煌めく星屑の耳飾りを、耳へと付ける。
そして、待ち合わせ場所へと向かい、アイツを待つ途中…面倒な奴等に絡まれはしたが
骨を折る勢いで手首を握りしめたら、すぐさま立ち去って行った。
その際、『無愛想』だ『性格悪い』だの…私の耳に届くように言われ、
「(相手にするだけ…時間の無駄だ、)」
そう思い、それ以上は詰めなかったものの
その場に居合わせたアイツが殺気だった様子で、ソイツらを睨んでいる姿が目に入り、
…こんな所で騒ぎを起こされても困る為、すぐさまアイツのもとへと向かい
「行くぞ」と声を掛け、男共から引き離す。
その間、アイツはずっと…私に絡んで来た奴等を睨んでおり
「(何でこんなに怒ってるんだ…?糖分足りてないのか、コイツ…。)」
そんな事を思いながら、とりあえず距離を取って落ち着かせようと、腕を引き続けていると
アイツの殺気が急に消え、不思議に思い、アイツの方へと視線を向ける。
先程まで男共を睨んでいた筈のアイツと、目があったかと思えば
アイツはすぐさま視線を逸らし、そっぽを向いてしまう。
…ただ、そんなアイツの表情は何処か嬉しそうで
何がきっかけかはよく分からなかったが、嬉しそうなアイツな顔を見て…何だか私も嬉しくなった。
その後、甘味処へと向かう途中、街中を眺めていると
不意にアイツから声を掛けられ、
「なァ…、近くねェかァ…。」
そう言って、アイツは自身の腕に回された私の手へと、視線を落とす。
「何度も言ってるがよォ…お前、距離感近ェ。もっと考えろォ……嫁入り前の女がなァ、男にベタベタ触るモンじゃァ___」
……また、始まった。私はコイツのこの説教を、何度聞かなければいけないのだろうか。
継子時代もよく言われ、年を重ねた今でも言われ…
私は説教をし続けるアイツに対し、呟くようにして
「……でも、継子の時…お前…よく抱きついてきた。お前も、距離感近いんじゃないか。」
「…っ…、…」
言い返せないのか、言葉を詰まらせるアイツを目にし
思わずふっと笑みをこぼしながら、
「お互い様だ。」
そう言って、先程よりもアイツの腕に抱きつくようにして、身を寄せた。
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よっしー(プロフ) - はじめまして!実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました!面白かったです!どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます!久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2023年7月27日 0時