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幸福 ページ46

***



それから日を待たずして、彼と契りを交わす日が訪れ



真っ白な白無垢に身を包み、赤い紅が差された…自身の姿を鏡越しに目にしながら



「(父さんや…母さんにも、見せてあげたかったな…。)」



ふと、そんな事を思う。



それと同時に、父さんは…彼の事を好いておらず、目の敵にしていたことを思い出し



「(父さん…式中、殴り込みに来そうだな…。)」



もし、父さんが生きていたとしたら…式が始まってから、すぐにでも実弥に喧嘩を吹っ掛けて



実弥も実弥で…喧嘩は買うだろうから、式どころではなくなってしまうだろうけれど



「(それはそれで…賑やかでいいかもな、)」



そんな光景が目に浮かび、思わず緩んだ口元からは笑みが溢れた。



するとそこへ、何やら騒がしい足音が近づいて来たかと思うと



「一華ちゃんー!須磨お姉さんが来ましたよー!!」



勢いよく襖が開き、須磨がこちらへと駆け寄ってくる。



その後に続いて、まきをと雛鶴も足を運び



まきをは私に抱きつこうとする須磨を即座に止め、



「須磨ッ!アンタ、そうやってすぐ抱きつこうとするんじゃないよ…!一華ちゃんの大事な衣装、汚しでもしたらどうするんだ!」



「汚しませんよー、だって私…ちゃんと手洗ってますし…お風呂にも入ってます!綺麗です!だから、___」



「そういう問題じゃないよ!離れなッ!」



気づけば部屋の中には、まきをの怒鳴り声と須磨の騒がしい泣き声が響き渡り



「二人共…!やめなさい、こんな所で…!」



慌てて雛鶴が止めに入るという…見慣れた光景が目の前に広がる。



その後も、私のもとには…かつて世話になった蝶屋敷の娘たちと



「しのぶ様も…星宮さんの綺麗なお姿、見たいだろうと思ったので…連れて来ました。」



神崎が気を利かせ、抱えて持って来た胡蝶さんの遺影。



生前、胡蝶さんは…診察の際、私の身体に付けられた赤い痕を見る度









『愛されていますね、式はまだでしょうか。』



『籍を入れる事になったその時は…報告、お願いしますね。あなたの花嫁姿、楽しみにしてます。』










笑顔をでそう言っていた事を思い出し、



「(ご報告…遅れて、すみません。)」



「(花嫁衣装…どうでしょうか、胡蝶さんの方が…似合うとは思うんですけど…、)」



「(天国で…見てくれたら、嬉しいです…。___)



そんな言葉を掛けながら、遺影の中で穏やかに微笑む胡蝶さんを見つめていた。

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よっしー(プロフ) - はじめまして!実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました!面白かったです!どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます!久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年7月27日 0時

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