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***



後日、実弥に『話がある』と言われ、屋敷へと呼び出された。



共に長い廊下を歩く、この状況であっても



「(何度考えても…分からないな…、)」



結局私は…答えを出す事が出来なかった。



部屋へと辿り着き、実弥は静かに襖を閉めた後



改まった様子で私の前へと腰を下ろす。



そして、少し間を置いてから私の方へと視線を向けて










「俺ァ、後三年で死ぬ。」










いつになく…はっきりとした口調で、そう告げる。



その次に来てしまう言葉は、予測ができていて



膝の上に置いた拳を握りしめ、思わず身構えてしまう。



一呼吸置いてから、実弥が発した…その言葉は____














「だから…お前の三年、俺に寄越しちゃくれねェかァ」



「俺ァお前には、最期まで隣に居てほしい」



「一華、俺と…夫婦になってくれェ」















実弥はそう告げた後、



懐から小さな箱を取り出し、私の左手に触れる。



私の薬指に嵌められた…銀色に光るそれを、



満足そうに眺める実弥を目の前にし、胸が熱くなり…次第に視界が滲んでいく。



突き放される覚悟で、この場に足を運んだというのに



彼が私との未来を選んでくれた事が、堪らなく嬉しくて



「……ッ…____」



その言葉に返すようにして、小さく頷いた後



同じく実弥の薬指で光る…それを目にし、



涙と共に彼への想いが、ただ溢れるばかりだった。



実弥はそんな私を目にしながら、



「お前の為を思うのであれば…俺みてェな痣者でなく…、他の誰かとの幸せを…端から願うべきなんだろうけどよォ…、」



「俺ァお前と籍入れるって事だけは…随分前から決めてた。お前の花嫁姿も、俺ァ…隣で見たい。」



「柄にもねェ我儘ばかりで悪ィなァ…けど、これだけは…どうしても叶えてェ。」



はっきりとした口調でそう告げて、



実弥は穏やかなその表情と、柔らかな眼差しを…私の方へと向け続けていた。















彼は『私の三年が欲しい』と、そう言ってはいたが



私は今日この場で、改めて…私に対する彼の想いと



彼に対する自身の想いを強く実感し、



三年と言わず…生涯持って、彼一人を愛するとそう決めた。



ただ、それを本人に告げてしまうと



少し…困らせてしまうかもしれないと、そう思った為



この決意は胸の内に留め、彼と入籍する運びとなった。

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よっしー(プロフ) - はじめまして!実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました!面白かったです!どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます!久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年7月27日 0時

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