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柱の墓を回り終えた後は、これまで関わった隊士たちの墓を回り
とある隊士の墓の前を訪れ、花を手向けた際には
「…わざわざ悪ィなァ、」
「それにしても…お前が玄弥と面識あったなんてよォ…、…知らなかったなァ…。」
私が他の墓を回る間、実弥はずっと此処に居た。
私が思っていた以上に、実弥は…弟である玄弥の事を大事に思っていた。
「(弟思いな兄を待てて…お前は幸せだな…、)」
そんな事を思いながら手を合わせ、玄弥の墓を静かに眺める。
あの稽古以降、玄弥はよく私に話しかけてくれて
『お前…自分から話しかけておいて、そこまで距離取る事ないだろ。もっと寄れ、』
『いえ…これで大丈夫です…、星宮さんに失礼があってはいけないので……。』
一定の距離は取られながらも、彼と話をする時間は楽しかった。
彼は多分、私が喜ぶと思って…兄の話ばかりをしてくれてはいたが
「(お前自身の話も、聞いてみたかったけどな…。)」
兄に似て、彼もまた…気遣いの出来る心の優しい青年だった。
そんな事を思いながら、玄弥の墓を眺めた後
同じく隣で墓を眺める…実弥へと視線を移す。
「…早く回らないと日が暮れるぞ、」
そう声を掛けはしたものの、実弥は静かに口を開いて
「俺ァ…もう少し、此処に居る。____」
しばらくの間、その墓の前から動く事はなかった。
＊＊＊
後日、今回の戦いで生き残った…私を含めた柱三名が招集され
鬼殺隊は今日は持って、解散する事を告げられた。
産屋敷邸を去り、自身の屋敷へと戻った後
あの戦いで酷く荒んでしまった…翡翠色の刀を眺めながら、
「(私は…これから、どうすればいい…。)」
そんな迷いが頭の中を過ぎる。
あの戦いで失ったものは、仲間や身体の一部だけでなく
私を除いた二人の柱は、己の寿命を失った。
「(私に…痣が出なかったのは、きっと私が…未熟者だからだろうな…。)」
そんな事を思うと同時に、実弥の姿が頭の中へと浮かび
「(実弥の…事だ、痣者である自分と…そうでない私…。何を思うかは、おおよそ見当がつく…____)」
『 別れよう 』
その一言を…目の前で告げられてしまった時
私はその言葉を受け取るべきか否か、
どちらの選択が…実弥の為になるのか、
「(どう…しようか…、)」
私は答えを出す事が出来ずにいた。
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よっしー(プロフ) - はじめまして！実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました！面白かったです！どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます！久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (
レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2023年7月27日 0時
