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「ヒッ、!!」
不死川の圧に善逸が怯える中、
伊之助は不死川の方へと視線を向けたかと思うと
「もう一つ見つけたからよ、お前にもやる。アイツとお揃いの…綺麗な奴だ、____」
笑顔を向けると共に、艶やかなどんぐりを手渡した後
すぐさま星宮のもとへと駆けていき、同じくどんぐりを手渡していた。
「……、…____」
不死川は貰ったどんぐりを眺めながら、以前…星宮との関係が拗れた際、伊之助に言われた言葉を思い出し
「(そう言えば…アイツにンな事、言われたなァ…)」
「(今度は、あんな顔…一生させねェからよォ___)」
伊之助に一瞬目を向けた後、貰ったどんぐりを握りしめ
「…行くぞォ、お前は屋敷に戻ったら…稽古逃げ出した分と…覗いた分含め、こってり絞り取るからなァ」
善逸の首根っこを掴み、引き摺りながら風屋敷へと向かう。
「(え…何で伊之助はお咎めなしで、俺はありなの…?酷くない?贔屓じゃない??)」
善逸がそんな疑問を抱きながら、不死川に引き摺られる一方で
星宮は伊之助と共に、屋敷へと戻る道中
「お前…私の為に、どんぐり探してたのか?」
そう尋ねると、伊之助は星宮の方へと視線を向けて
「おう!だってお前…俺が持ってたどんぐりずっと見てただろ。欲しいのかと思って…お前の分探しにきた。」
「(いや…どんぐり沢山抱えて、稽古場来られたら…誰だって見るだろ…。)」
そんな事を思いながらも、星宮は伊之助の返答を受け
「(随分と…綺麗なやつ、見つけてきたな…。)」
艶やかに光るどんぐりを眺めた後、伊之助に「ありがとう」とお礼を言った。
それから、星宮は少し言いづらそうな様子で
「その…さっきみた事は…、忘れろ…。絶対…人に言ったりするなよ…、」
そっぽを向きながら、気恥ずかしそうな様子でそう告げる。
対する伊之助は、きょとんとした表情を向けて
「何でだ…?あれは、アイツと仲良い証拠みてぇなもんだろ。しのぶに言ったら喜ぶだろうから……俺はしのぶに話____」
「おい待て、胡蝶さんには絶対言うな。」
胡蝶に話そうとする伊之助を必死に止めながら、星宮は屋敷へと戻った後
「お前…これ、好きなんだろ。さっき来てた竈門から聞いた。いくらでも食べていいから……さっき見た事は、絶対誰にも言うな。いいな、____」
伊之助の好物である天ぷらを用意し、何とか伊之助の口を封じ込めた。
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よっしー(プロフ) - はじめまして!実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました!面白かったです!どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます!久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2023年7月27日 0時