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(星宮 side)



『星宮さん、今日はありがとうございました…!兄貴の話、たくさん聞けて楽しかったです。』



『俺が星宮さんに…こんな事、頼める立場ではないと思うんですけど…、』



『どうか…俺の分まで、兄貴の事…幸せにしてあげて下さい。____』














彼は少し寂しげな色を瞳に浮かべながらも、



柔らかなその表情を、私へと向けて立ち去っていった。



私はそんな彼の言葉に返事はせず、



彼を見送った後、静かに戸を閉めながら



「(アイツの弟は…頭が悪いな、)」



視線を落としながら、ふとそんな事を思う。



私がアイツに与えられる幸せと、実の弟である彼が与えられる幸せは、同じものであるとは限らず



彼でしか与えられない幸せが、そこにはあるというのに



「(私に全てを託すのは…違うんじゃないか、…。)」



そんな事を思いながらも、彼がそう思えない…いや、そうしたくても出来ない状況に置かれている事は、先程の話で理解した。



それと同時に…彼の話を聞いて、もう一つ分かった事があって



彼はアイツに嫌われていると、そう話していたが



「(アイツは…ただ、護りたいんだろうな…。)」



鬼になった母親を手にかけてまで、弟を護ったというのに



その弟が目の前に現れ、自分と同じ鬼殺の道を辿ろうとしている。



そうなれば…アイツがどんな思いを抱くかは、容易に想像出来て



『弟はいない』と言っていた、あの言葉の意味も…分かった気がした。



その一方で、私は彼の気持ちも汲む事ができ



身内を鬼に殺され、鬼殺隊に入る事で誰かを護れるくらい、強くなりたいという気持ち。



柱になって、自分を護ってくれた兄への失言を詫びたいという…切実な気持ち。



それから彼もまた、アイツと同じで



「(唯一の…肉親だもんな、護りたいに…決まってる…。____)」



呼吸を扱う才がなかったとしても、兄に冷たく突き放されたとしても



『護りたい』というその気持ちは、そう簡単に折れはしない。



「(あの兄弟が分かり合うのは…時間がかかりそうだ…。)」



そんな事を思いながら一人縁側へと腰をかけ、夜空へと浮かぶ月を眺める。



「(それでも…いつか、共に笑える日が…来るといいな。____)」



その日の夜、そんな思いを抱いたものの



数日後、アイツと…とある隊士が、稽古場で乱闘を起こしたという知らせが耳へと届き



その場には、彼…玄弥の姿もあったという話を聞いた。

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よっしー(プロフ) - はじめまして!実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました!面白かったです!どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます!久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年7月27日 0時

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