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その後、星宮は頭を下げ続ける玄弥を落ち着かせ
「今日はもう稽古終わりだ、早く戻れ。それと…お前はもう、明日から次の稽古行っていい。じゃあな、」
そう言って、屋敷の中へと入ろうとすると
「あ…あの…っ、星宮さん…!」
不意に玄弥から声をかけられ、星宮は一旦その場に立ち止まる。
「あの…俺、星宮さんに聞きたいことがあって…、」
そう言い出したかと思えば、玄弥は少し間を置いた後、星宮へと視線を向けて
「その…、星宮さんは…兄貴の何処に惹かれたんですか…?」
唐突なその質問に、思わず身体が硬直する星宮。玄弥はそんな星宮を目にし
「す…すみません…、急にこんな質問…。でも、俺…星宮さんに会ったら…聞いてみたいなって思っていて…、」
少し申し訳なさそうに告げた後、玄弥は視線を下へと落としながら静かに口を開く。
「その…俺の兄貴って、結構此処では怖がられてたりだとか、あまり良く思われてないみたいで……兄貴の悪口を耳にする事が多いんですよね…。」
「そんな中、星宮さんが兄貴と付き合ってる事を知った時、俺は嬉しかったというか…。兄貴の事…ちゃんと知って…好いてくれている人がいるんだなって…。」
微かに笑みをこぼしながらそう話す玄弥を目にし、星宮は少し考えた後で
「そう…だな、アイツは…色々と口煩く言ってくる時もあるが…、でも…誰よりも優しくて…温かい。…辛い時、アイツはいつも私の側にいてくれた。」
「私は…アイツの、そういう…所が好き、だ…。」
若干気恥ずかしそうな表情を浮かべながらも、そう言い切る星宮を目にし
玄弥は嬉しそうな表情を浮かべた後、ふたたび口を開いて
「あの、もっと兄貴の話…聞きたいんですけど…ダメ…ですかね…、?」
「…………、」
目を輝かせながらそう話す玄弥に対して、星宮は少し何かを考えた後
「話…聞かせてやってもいいが、その代わり…お前もアイツの話聞かせろ。兄弟なら…昔のアイツの事も、知ってるんだろ。」
「私も…アイツの話には、興味があるからな…。___」
そう言って、星宮は玄弥を屋敷へと招き入れ
玄弥と共に縁側へと腰を掛けながら、不死川の事について話し始めた。
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よっしー(プロフ) - はじめまして!実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました!面白かったです!どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます!久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2023年7月27日 0時