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その後も、星宮はご飯を餡で包みながら
「本当は…お前みたいに、色々作れるようになりたかったんだが…とりあえず宇髄の嫁達から、おはぎだけ習ってきた。」
その言葉を聞き、不死川が少し驚いたような表情を浮かべだかと思えば、何か思い出すようにして
「なァ…もしかして、最近…出掛けてたのってよォ___」
「宇髄の嫁の所に行って、練習してた。お前には…作ってもらってばかりだろ、だから私も…お前の好物くらいは作れるようになりたいと思って……、」
「最近、誘い断ってばかりで…悪かったな。」
不死川は星宮の行動に嬉しい気持ちを抱く反面、一時でも疑ってしまった罪悪感が湧き上がり
「いや…俺の方こそ、悪ィ…。お前が他の男と会ってンじゃねェかって、疑ったからよォ……」
星宮はそんな不死川の言葉に、目を丸くしたかと思えば
「まァ…宇髄とはここ最近、嫌でも顔合わせてたからな。あながち間違いじゃない、」
そう話す星宮に対して、不死川は念の為「何もねェよなァ…?」と尋ねると
「ある訳ないだろ、私がどれだけアイツを嫌いかは…お前がよく知ってるだろ。」
「…確かに、そうだなァ」
安堵の笑みを浮かべながら、そう告げる。
その後、星宮はおはぎを作る傍ら、静かに口を開いて
「私は…一つ、決めた事がある。」
そう告げた後、星宮は少し視線を落としながら
「私は…剣士であるうちは『生涯お前を愛す』だなんて…無責任な事は言えない。だから…しばらく嫁に行く事はない。」
「けど…もし、いつか平穏な日常が手に入るのであれば…その時は…私はお前と一緒になりたいと、そう…思ってる。」
星宮はそう告げた後、真っ直ぐな視線を不死川へと向けて
「だから…それまでの間、私はいつ死んでも悔いがないよう……一日一日、お前に一生分の愛を注ぐと…そう決めた。だから、これから覚悟しておけ。____」
不死川はそんな星宮の言葉に目を見開いたかと思えば、
「おい…寄るな、作業の邪魔だ。」
後ろから抱きつくようにして手を回し、星宮の肩へと顔を埋める。
「お前…いい女だなァ、」
そう呟く不死川に対して、星宮はふっと笑みをこぼしながら
「…惚れ直したか、?」
そう尋ねると不死川は「…あァ、」と返答した後
「(絶対…いつか、俺からコイツに…『籍入れよう』って、言おう……。)」
そんな決意を抱きながら、先程よりも力強く星宮を抱き寄せた。
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よっしー(プロフ) - はじめまして!実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました!面白かったです!どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます!久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2023年7月27日 0時