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宇髄はそう話す星宮に対して、静かに視線を向けたかと思えば
「…何か、行けない訳でもあるのか。」
そう尋ねてみると星宮は少しの沈黙の後、口を開いて
「結婚…っていうのは、あれだろ。自分の生涯を持って…、相手を愛する事だ。」
「だから…いつ死ぬか分からない身の私が『一生愛する』だなんて、無責任な事は言えないし…誓う事も出来ない。…だから私は、嫁には行かない。」
宇髄はそう話す星宮をじっと見つめたかと思うと、
「お前はあれだな、親父に似て…真面目なんだな。」
呟くようにしてそう告げた後、澄み切った空を眺めながら
「じゃあ仮に…全ての鬼を滅して、平穏な日常が手に入ったとしたら…その時はどうするんだ。勿論、お前も不死川も…生きてる前提での話だ。」
星宮にそんな問いを投げかける。星宮は少し考えた後、宇髄に対して
「そもそも…それまでアイツは、私の事好きでいてくれるのか…?アイツ、意外とモテるんだろ。私が今後、振られる可能性だってある___」
すると、宇髄はそんな星宮の言葉を遮るようにして
「お前、分かってねェな…不死川が他の女に目移りする訳ねェだろ。」
「お前が思ってる以上に…アイツはお前の事、好きだからよ。だからその辺は、安心していいと思うぜ。」
「(何でコイツ…本人でもないのに、こんなに自信あるんだ…?)」
何故か自信満々にそう話す宇髄に対して、星宮は少し怪訝な表情を浮かべながらも
「もし、アイツが…まだ私を好いてくれていて、籍を入れてもいいって…思ってくれるなら…、」
「その時は…生涯アイツを愛すると、そう…誓う。」
真っ直ぐな瞳を向けながら、宇髄の問いかけに対してはっきりとした口調でそう告げる。
宇髄はそんな星宮を目にし、ふっと笑みをこぼした後
「そうか…、それなら早速花嫁修行戻らねェとな。行くぞ、」
そう言って立ち上がり、星宮と廊下を歩く途中
宇髄は星宮の方へと目を向けて、口を開いたかと思えば
「お前は…真面目だからよ、今はまだ…籍入れるだとか、そう言う事は容易に考えられねェんだろうが……、」
「アイツとの未来を望むくらいは…してもいいんじゃねェの。」
「…………、」
星宮はそんな宇髄の言葉に対して、特に返答はしなかったものの
何か考え込む様子をみせながら台所へと戻り、ふたたび宇髄の嫁達から炊事を習っていた。
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よっしー(プロフ) - はじめまして!実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました!面白かったです!どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます!久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2023年7月27日 0時