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その後、星宮は宇髄の嫁達に事情を説明し、炊事を習うものの
「(全然…上手く…出来ないな…、)」
辺りには真っ黒に焦げた物体が並び、上達する兆しがなかなか見えず
「わぁ…!一華ちゃん…案外不器用なんですねぇ、私こんなに料理出来ない人初めて見___」
「須磨ッ!」
まきをが咄嗟に須磨の口を塞ぐ中、雛鶴は穏やかな口調で星宮へと声を掛ける。
「大丈夫よ、練習すれば…きっと上手くなるわ。だからもう少し、頑張____」
雛鶴がそう言いかけた時だった。不意に背後から手が伸びてきたかと思うと、
「何だこれ、派手に不味いな。」
突如現れた宇髄が星宮が作ったものを口へと運び、はっきりとした口調でそう告げる。
その言葉を聞いて、流石の星宮も気を落としてしまい
「………、」
無言のまま台所を後にし、何処かへと去ってしまう。
星宮が去った後、嫁三人は宇髄に睨むような視線を向けて
「「「 天元様!!! ____」」」
…その後、宇髄は嫁三人から叱責を受け
『星宮を連れ戻してこい』と命じられ、屋敷の中を探し回っていると
縁側に腰を掛け、外の様子を眺める星宮が目に入る。
宇髄は星宮の隣へと腰を下ろし、目を向けるものの
「…………、」
星宮はいつものような憎まれ口を叩く訳でも、睨む訳でもなく…ただ黙って視線を下へと落とす。
「(調子狂うな…、)」
宇髄はそんな星宮の沈黙に耐えきれなくなり、思わず
「あー…悪かった、俺が悪かったからよ…だからそんな顔するな。」
そう告げた後、少し間を置いてから星宮に対して
「お前、何で急にうちの嫁に炊事習いに来たんだ…?」
そう尋ねると、星宮は視線を落としたまま静かに口を開き
「いつも…アイツに、作ってもらってばかりだったから…私も…たまには…何か作ってあげたいなって…、」
宇髄はその言葉を聞いて「…そうか、」と返した後
「まァ…確かに、いずれお前も嫁ぐだろうし…そうなると、炊事は出来た方がいいよなァ…。」
ぼんやりと宙を見上げながら宇髄がそう話す中、星宮は口を開いたかと思えば
「何でそうなる…?私は嫁には行かないぞ、」
不思議そうな表情を浮かべながらそう告げる。そんな星宮に対して、宇髄は思わず
「お前…不死川と籍入れてェとか思わねェの…?」
そう問いかけるものの、星宮は頑なに「…嫁には行かない。」と告げるだけだった。
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よっしー(プロフ) - はじめまして!実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました!面白かったです!どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます!久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2023年7月27日 0時